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滋賀ニュース

<選挙区を行く>(4区) 混戦 必死の支持固め

街頭で支援を呼びかける候補者=甲賀市で

写真

小西  理54 無元<2>

西沢 耕一34 共新

武藤 貴也33 自新

岩永 裕貴39 維新

奥村 展三68 民前<3>

 (上から届け出順)

 夜明け前の寒風が吹き付ける工場の正門前に、太く弾んだ声が響く。仕事に向かう従業員一人一人の目を見て支援を呼びかける、数十年培ってきたスタイル。民主前職の奥村展三さん(68)は言う。「反応は悪くない。逆風は感じない」

 奥村さんに自民、維新、共産の新人と元自民の無所属元職の候補が挑む四区は、情勢が見通せない最激戦区とみられていた。一週間前に「自民優勢」との世論調査の報道が流れたが、奥村さんには、それほど差があるとは思えない。

 ただ、気になることもある。チラシを受け取り声をかけてくれる人は二〇〇九年の政権交代選挙より少ない。

 地元経済界に広い人脈があり、他党に吹く追い風の影響を受けにくいと自負している。事務所では、弱気を見せる陣営の仲間に選対本部長の谷康彦県議が「これまでやってきたことに誇りを持て」と発破を掛ける一幕も。連夜の個人演説会では、長い政治経験をアピールし、支持固めを図る。

 一方、自民新人の武藤貴也さん(33)は、今回の選挙戦に手応えを感じている。

 〇九年に挑んだ初の衆院選では、奥村さんに二倍近い得票差を許して敗れた。夜ごとに開く個人演説会では、数人程度しか聴衆が集まらなかった前回と対照的に、今回は百人単位で集まるという。「ここに来たばかりのときには考えられなかった。とにかく皆さんのおかげ」と感謝する。

 北海道出身で地盤がなく、選挙資金もない候補を助けようと、選挙区内の市議らが中心となって、手弁当で演説会場の設営や街頭活動の応援に携わる。選対本部長の小寺裕雄県議は「国政選とは思えない手づくりの選挙」と評する。

 手づくり選挙という点では維新新人の岩永裕貴さん(39)も負けていない。解散翌日に党の公認が決まると、急ピッチで事務作業や選挙スタッフの確保を進めてきた。公示前には数人だった後援会には、元同級生や仕事仲間らが続々と集まり、今では百人以上に。岩永さんは「こんなに素晴らしい仲間と戦え、自分は幸せ者」と話す。

 早朝の駅立ちなど街頭活動中心の選挙戦を進める。元農林水産相の峯一さんを父に持つが、組織力がないための浸透度の低さが課題。民主、自民の候補に食い込むために石田秀幸後援会長は「投票率が低い若者への協力を呼びかける」と誓う。

 共産新人の西沢耕一さん(34)は公示以来、街頭演説を一日十五カ所ほど、個人演説会を一日二会場で開き、懸命に支持拡大を図る。

 演説会場に詰め掛ける幼い子ども連れの母親や会社帰りとみられる若者たちの前で、西沢さんは「いまは二十代、三十代の半分近くが非正規雇用だ。正社員が当たり前の社会を実現したい」と熱く訴えかける。

 元自民で無所属元職の小西理さん(54)は、今回の選挙戦では特に、選挙区内の各地で道行く人と対話する活動に力を入れる。

 これまで対話をした有権者は二千人ほどといい、景気回復や生活不安解消などの要望を聞いてきた。毎晩、選挙区内各地の銭湯に出向き、有権者との裸のつきあいに励むことも。「有権者と同じ目線となり、要望を政治に反映させたい」と力を込める。