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最高裁裁判官 国民審査

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憲法の番人 10人審判

 十六日の衆院選と同時に実施される最高裁の裁判官に対する国民審査を前に、本紙などは審査を受ける裁判官十人にアンケートを行った。「一票の格差」に対する国会の対応への考え方をはじめ、最高裁裁判官としての信条、裁判員制度の評価と課題、震災や原発事故を経験しての裁判に対する姿勢の変化−を尋ねた。裁判官の人となりや仕事ぶりが分からず、判断のしようがないと思う有権者も多いはず。そこで質問への回答とともに略歴や関与した裁判も紹介する。

◆一票の格差 7人「違憲」とまで踏み込まず

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 今回の衆院選は、最高裁が「違憲状態」と判断した小選挙区の一票の格差が是正されないまま投票が実施される。この憲法判断を示したのは、昨年三月の最高裁判決。最大格差が二・三〇四倍だった前回二〇〇九年衆院選について、裁判官十五人全員で審理する大法廷は「憲法の要求する投票価値の平等に反する状態に至っていた」と指摘した。

 今回の国民審査で対象となる十人の裁判官のうち、この判決に関わったのは岡部、須藤、横田、千葉、寺田、白木、大谷の七氏。いずれも違憲状態との多数意見に賛成した。山浦、大橋、小貫の三氏は、判決後に就任したため関与していない。

 また、最大格差が五・〇〇四倍となった一〇年参院選について、最高裁は今年十月の大法廷判決で「違憲状態」とする判断(多数意見)を示している。これには十人全員が関わった。判決では裁判官十五人のうち、須藤、大橋両氏を含む三人が、より踏み込んで「違憲」の立場で反対意見を付した。

 反対意見で、須藤氏は「来年夏の参院選でも制度の改変に見るべき取り組みがなければ、選挙を無効とせざるを得ない」、大橋氏は「どのような困難に改革が妨げられているのか、立法府は国民に一向に明らかにしていない」などと、定数是正に本腰を入れない国会を厳しく批判していた。

 過去の判例では、格差が著しく不平等な場合が違憲状態、その状態が相当期間続いている場合が違憲と判断されてきた。これまでに衆院選で違憲二回、違憲状態三回、参院選で違憲状態二回の最高裁判決が出ているが、選挙無効を認めた判決はない。

 今回の衆院選公示前日の今月三日現在、一票の最大格差は前回より拡大し二・四二八倍。今回のアンケートでは、格差に対する国会の対応への考え方を尋ねた質問に、大半は「判決で述べるべき問題」などと具体的な回答を避けた。

 自らの考えを寄せたのは三人。山浦氏は「違憲状態を解消するため、必要な法改正を速やかに行うことを期待」、岡部氏は「総選挙までに区割りの改正まで至らなかったことは残念」、千葉氏は「違憲状態と判断し是正を求めた事項に沿った対応がされた部分もあるが、それ以外については今後しっかりした見直しを期待」などと、それぞれ回答した。