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岐阜ニュース

地元へ街頭へ 各陣営奔走

 衆議院が解散した十六日、県内でも事実上の選挙戦に突入した。衆院本会議で恒例の万歳三唱をした後、深夜に地元に戻るため準備を急いだ前職。立候補予定の新人の中には早速、街頭でマイクを握った人もいた。三年四カ月ぶりの衆院選は十二月四日公示、十六日投開票される。

 県内では、全五小選挙区に今のところ十八人が立候補を表明している。内訳は、前職九人と新人八人、元職一人。党派別では自民、共産の両党がいずれも五人、民主党四人、諸派二人、生活一人、民主に離党届を出した前職。

 二〇〇九年八月の前回は三つの選挙区で勝った民主だが、今回は逆風にさらされる。一方の自民は、全区で勝利しての「王国」復活を目指す。さらに「第三極」が伸長する可能性もある。河村たかし名古屋市長が率いる減税日本は、全区での候補擁立を模索している。

 ■1 区

 「今後の日本をどうするか論戦したい」と民主前職の柴橋正直さん(33)。岐阜市内で街頭演説をして上京。解散後、とんぼ返りで支援者を回った。自民前職の野田聖子さん(52)は「民主政権で滞った社会資本整備も進め、岐阜を価値ある地方都市に」。解散後、党の会合に出席した。

 「反増税、脱原発などを実現」と意気込んだのは、生活前職の笠原多見子さん(47)。共産新人の鈴木正典さん(49)は岐阜市内で「安心して暮らせる政治を」と街頭演説した。諸派新人の野原典子さん(56)は県外でデモに参加し「国防強化を選挙で訴える」と語った。

 ■2 区

 「遅きに失したとはいえ、国民の信を問う良い機会。丁寧に政策を訴えていきたい」と語るのは、自民前職の棚橋泰文さん(49)。週末は選挙区内でミニ集会を開く。

 共産新人の高木光弘さん(53)は、来月十六日の総選挙を予想していたが、解散は思ったよりも早い時期だった。それでも街頭演説をして「心構えはできている」。

 一方、解散直前に民主に離党届を出した橋本勉さん(59)は会見で「年末で景気も悪いのに、選挙を行うべきだったのか」と野田首相を批判。自民、公明以外で「民主と戦える政党」入りを望んだ。

 衆院選の十二月十六日投開票が決まったため、古田肇知事は十六日、投票所の設営や啓発活動などの選挙費用十億六千九百万円余の支出を決めた。議会の議決を経ない専決処分で、県議会十二月定例会で報告する。費用は全額、国庫支出金で賄われる。

 古田知事は衆院選について「景気、震災からの復興、エネルギー供給の安全・安定など、待ったなしの課題が山積している。国の将来をしっかり見据えた選挙戦を期待したい」とのコメントを発表した。

 ■3 区

 民主前職の園田康博さん(45)は、副大臣を務めた環境省の庁舎から国会へ。「民主の政治理念を堂々と語りたい。こう着した政治を前に進める」と淡々と話した。

 「待ちに待ったチャンス」と沸き立つのは、自民元職の武藤容治さん(57)。午後から票田の関市内の支援者を精力的に回り、「浪人生活の冷や飯を食って勉強した成果を出したい」と意気込んだ。

 共産新人の服部頼義さん(54)の陣営幹部は「出馬表明の直後で慌ただしい選挙日程になったが、消費税増税反対などを広く訴える」。選挙に向けて週明けから始動する。

 衆院選の解散を受け、県選挙管理委員会の衆院選管理事務室が十六日、県庁内に開設された=写真。既に来年一月十日告示、二十七日投開票の県知事選の管理事務室があり、その看板の隣に衆院選の看板が取り付けられた。

 書記を五人増やして職員十八人で準備にあたる。県選管の市川康雄書記長は「万全の態勢で臨み、ミスなく乗り切りましょう」と訓示した。

 ■4 区

 「ひとつひとつこなしていくしかない」。民主新人の熊崎陽一さん(25)は早朝から、地元の下呂市萩原町でつじ立ち。あいさつ回りや事務用品の買い出しなどに追われた。

 自民前職の金子一義さん(69)は「経済と外交という国の大事なたがが外れた。はめ直すのが自民党の仕事」。十七日早朝から県内に戻り、地域の催しなどで政権奪回を訴える。

 共産新人の日下部俊雄さん(64)は「野田政権は約束破りの増税をした。早く解散をと訴えていたので大歓迎」。十七日から、高山市で街頭演説を始める。

 ■5 区

 民主前職の阿知波吉信さん(49)は「総理が政治生命を賭けた決断、戦うのみだ」と力を込める。深夜に地元へ帰り、週末は後援会や支持者と対面する。

 「遅きに失した解散だ」と断じるのは自民前職の古屋圭司さん(60)。「がたがたになった日本を再興するための選挙になる」と、同じく深夜に東濃へ。

 共産新人の井上諭さん(45)も「遅すぎるくらい」と話す。この日は十八日投開票の恵那市議選の応援に奔走した。「まず議席を確保して勢いを」。諸派新人の加納有輝彦さん(52)は「正直驚いたが英断」と解散を評価した。

(衆院選取材班)