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選挙区と比例で割れる一票

 十六日に投開票日を迎える衆院選では、現行の選挙制度で最多の十二党が候補者を立てた。有権者は候補者名を書く小選挙区と、政党名を書く比例代表の二票を持つが、それぞれで違う政党に投じようと考えている人もいる。一党が勝ち過ぎないようバランス感覚を働かせたり、前回は政権交代を期待し民主に集まった非自民の票が、再び分散していることなどが背景にありそうだ。

 自民元職、共産新人、民主前職、未来新人の四人が立候補した岐阜3区。関市に住む不動産業の男性(42)は期日前投票で、自民の候補者に入れた。一方、比例はみんなの党へ。理由は「いろんな政党の議員がいる方が健全な気がするから」。

 建設会社役員の男性(38)も、比例だけは中小政党への投票を検討する。「極端な意見を言う人も必要かな、と思うから」と話す。

 愛知学院大の森正教授(政治学)によれば、こうした投票行動は「スプリットボート」(割れた投票)と呼ばれる。一人しか当選できない小選挙区では「死に票」になるのを避けるため、勝ち目のある候補者に投票したくなる。一方、比例は政党の選択肢も多く「自分の考えをストレートに表しやすい」と森教授。中小政党が議席を確保できるよう、並立制が導入された理由もそこにある。

 ただ二〇〇三、〇五、〇九年と過去三回の衆院選は民主党が「二大政党化」と「政権交代」をアピール。小選挙区も比例も、自民か民主に票が集約しやすい傾向があった。

 森教授は「今回は民主党政権の三年三カ月の業績を評価する投票と位置づけられる」と指摘。選挙戦終盤の情勢を「非自民の票が分散し、結果的に自民党が優勢になっている」と分析する。