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「日本の縮図」関市民も投票先迷う

関東と関西の分岐点と主張し設置した「センターポール」。今回の衆院選でも全国に近い投票結果となるか=岐阜県関市で(谷沢昇司撮影)

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 過去三回の衆院選比例代表の得票率が、全国と極めて近かった岐阜県関市。本紙の情勢調査で、関市民の比例代表の投票先は、自民党、民主党と続き、日本維新の会と日本未来の党が合わせて全体の二割を占めた。十六日の投開票日を前に「日本政治の縮図」である関市を歩いて、有権者の胸の内を聞いた。

 本紙は九、十の両日、中部九県の有権者を無作為に電話調査した中から、関市に住む六十八人の回答を抽出。調査対象が少なく、あくまで参考の数字ながら、中部全体の数値に近い傾向を示した。

 比例代表の投票先では自民が26%(中部26・6%)でトップ。2位が民主で19%(同13・9%)を占めた。二〇〇九年の前回衆院選では、関市の得票率は民主が44%、自民が28%で16ポイント差。今回は自民が民主に7ポイント差で逆転したが、前回ほどの大差はついていない。

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 新顔の維新に投票すると答えた人は13%(同11・4%)、未来は6%(同5・4%)。関市では自民、民主両党に埋没することなく、一定の存在感を見せた。

 選挙戦終盤の十一日に関市民の声を聞いたところ「関を制するものは日本を制す?」と報じた本紙記事は市民の間に浸透。多くの人から「記事を読んだ。関が全国に近いんだってね」と、少し誇らしげな反応が寄せられた。

 まちを支えるのは刃物づくり。包丁製造会社を経営する安田昇さん(53)は投票先を「自民党」と明言。「経済も外交も強い日本をつくってほしい」と期待する。稲作農家の五十代の男性も自民を支持。環太平洋連携協定(TPP)には「一応反対だが、もっと正確な内容が知りたい」と望む。

 逆風の民主。三人の子どもを持つ会社員荘加あきさん(38)は投票先を「未定」としながら「子ども手当は家計の助けになった」と評価。ショッピングセンターで買い物中の女性看護師(50)は「もう少し長い目で見てもいいのかも」と話した。

 全国で自民の優勢が伝えられる中、関駅前で呉服店を営む浅野欽一郎さん(54)は「国防軍など、自民の改憲案には違和感がある。一つの党が勝ち過ぎるのもよくない」と、維新への投票を考える。

 鍛冶職人のスタミナ源だったとされ、関市ではうなぎ料理が名物。料理人の宮木義恭さん(58)は「勢いがある政党に入れたいが、どこも政策がぶれているし…」。まさに、つかみどころのない選挙に思い悩んでいる。

(栗田晃)

 <岐阜県関市> 本紙が愛知、三重、岐阜、長野、福井、滋賀の6県の全111市(2009年当時)を対象に09年、05年、03年の過去3回の衆院選比例代表での各党得票率を算出。関市は全国の得票率と酷似し「日本の縮図」といえる結果が出た。関市富之保地区は00年の国勢調査から3回連続で、全員が同じ体重と仮定した場合に重さが釣り合う日本の人口重心に認定されている。12月1日現在の人口は9万2949人。