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公明「平和の党」強調 自民のタカ派色警戒

 公明党の山口那津男代表は八日、自民党が衆院選公約に改憲を盛り込んだことについて、広島市で記者団に「自民党が主張する九条改正に、われわれはくみしない。憲法上、集団的自衛権(行使)が許されないとの政府解釈も妥当で、変える必要はない」と明言した。公明党は衆院選後、自公両党による政権復帰を視野に入れているが、政界の右傾化には一段と警戒感を強めている。

 公明党は広島県内の小選挙区に候補者を立てていないが、山口氏は八日、被爆地・広島市で街頭演説し「公明党は、核兵器のない世界を目指すオバマ米大統領に広島、長崎に来てもらうようルース駐日米大使を通じて要請した」などと「平和の党」を強調した。

 自民党の石破茂幹事長も八日、広島市で街頭演説したが、山口氏とは対照的に核問題には触れなかった。

 公明党が衆院選後に目指すのは「現実的な政権運営」(山口氏)。自民党との共同歩調を意識し、山口氏は四日の衆院選公示前は改憲姿勢にも「党として独自の政策を掲げるのは当然」と一定の理解を示していた。

 しかし、公明党にとって「非現実的」な自民党のタカ派色が薄まる気配がなく、放置しておけば、選挙後の政策合意が難航する可能性が浮上。ブレーキをかける必要があると判断したようだ。

 山口氏は、自民党の安倍晋三総裁が改憲で公明党に配慮し、いきなり「国防軍」を創設する九条でなく、まずは改憲手続き要件を緩和する九六条に取り組む考えを示したことにも「手続きを緩やかにするなら慎重に考えなければならない」とけん制した。

 公明党には、核兵器保有の研究をすべきだと主張する日本維新の会の石原慎太郎代表に対する反発も強い。

 山口氏は広島市で記者団に「自民党よりも、さらに右寄りとみられるが、国民が本当に(躍進を)望み、諸外国は歓迎するだろうか」と維新を批判。石原氏が自民党との連立に前向きな姿勢を示しているため、自民党にくぎを刺す狙いもあるとみられる。

(大杉はるか)