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原発、増税、憲法 考える時

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故後、初めての衆院選が始まった。これからの日本がどこに向かい、どんな国のかたちになるのか。本紙は三大争点として、原発政策、消費税増税、憲法九条を位置づける。

 安い電力供給源として「安全神話」のもと進められた原発政策。その虚構は「3・11」であばかれた。放射能は多くの人から住み慣れた土地を奪った。破壊された原発の廃炉は長い時間だけでなく、膨大な費用もかかる。今後の国民負担は計り知れない。

 「経済性」を重くみて原発を動かし続けるか、「脱原発」にかじを切るのか。この選択は私たちはもちろん子孫の生活に重大な影響を与える。「脱原発」政党は多く、提示されたゼロ実現の道筋も多様だ。主張に現実性が伴っているかを見極めたい。

 消費税増税をめぐっては、前回衆院選で政権交代を果たした民主党のマニフェストの中に、その項目はなかった。つまり増税法は民意の反映ではない。政府が増税実施を最終決定するのは来年秋。その政権を選ぶのが投票日の十六日だ。

 憲法九条についてもじっくり考えたい。沖縄県・尖閣諸島をめぐる日中間の緊張も契機となって、対外的に強硬姿勢を示す発言が目立つようになった。改憲志向の政党も少なくない。改憲を発議するには、衆参両院の三分の二以上の賛成が必要だが、世論調査では賛否は拮抗(きっこう)している。

 前回衆院選の焦点は「政権交代か否か」の一つだった。今回は違う。政策ごとに各党の対立構図も入れ替わる複雑な構図だ。どこに託すか絞りきれないかもしれないが、有権者の手で政治を変える好機でもある。

 被災地を思いつつ、真正面から向き合うときだ。

 (政治部・関口克己)