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静岡ニュース

<記者が見た衆院選>(中) 野党共闘

◆3区で実現、8区調整つかず

野党共闘が崩れた8区で、新人候補を応援する有権者ら=浜松市内で

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 民主党と維新の党との「野党共闘」が注目されたが、県内で実現したのは3区のみ。1、8区は候補者の調整ができなかった。結果も3区の民主元職が比例復活しただけで、維新は議席を失った。

 記者A 8区は共闘失敗の影響が確実に出た。結果論になるが、維新の公認候補は三百票程度上積みしていれば比例復活できた。

 記者B 県西部の民主系議員は、党本部が事実上8区は維新候補に一本化する考えに猛反発だった。維新候補は元民主県議で、前回の選挙で離党した相手。ある県議は「裏切り者を応援するなんてもってのほか、候補者を立てず結果的に支援することもありえない」と憤慨していた。

 記者C 同じ選挙区の無所属候補の陣営では、投開票日に集まった支援者らが維新候補の結果に気を取られていた。日付が変わっても速報を表示するパソコンを囲み、維新候補の比例復活がないと確認すると拍手や万歳も起きた。

 記者D でも維新候補は選挙戦で、民主への批判や恨み節は全くなかった。取材で民主との連携を聞いても「私は至らないところがある。皆さんの声を聞いて改善したい」と刺激しないように気遣っていた。

 記者E 結果的に維新候補は前回よりも票を伸ばし、今後も8区での活動に意欲を燃やしている。民主党としては今後も維新候補と選挙で戦う可能性が残ったわけで、お互いに悔いが残るだけの選挙になってしまったのでは。

 −3区では維新の前職が比例に回って、民主元職を支援する一本化が実現した。

 記者F 維新の後援会に動きが出たのは自民圧勝ムードが広まった選挙中盤。民主陣営に支援者名簿が提供されて動きが加速した。後半の盛り返しが民主候補の比例復活につながった。

 記者G 自民陣営は序盤、野党共闘を脅威に思っていた。小選挙区で勝てたのは民主候補が原発関連に踏み込まなかったのも大きい。脱原発を求める有権者の中には、迷った揚げ句に自民へ戻ったという人もけっこういたはず。

 記者H 野党共闘について民主党県連幹部は、選挙協力でなく、単なるすみ分けに終わってしまったと説明。選挙戦術的な話では有権者の関心を引けなかったとも反省していた。