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中部ニュース

威信どこへ 維新苦心 民主との連携難航、自民に対抗できず

 第三極として前回衆院選で存在感をみせた維新だが、今回はかつてのような勢いがない。中部地方でも一強の自民に挑むはずが、民主との選挙区調整がまとまらずに激しく争ったり、調整がついても、思うような支援が得られなかったり。野党支持者からは「安倍政権に対抗することを考えてほしかった」と悔やむ声が聞こえる。

 「一本化すれば勝てるのに…」。愛知4区では、維新、民主双方の陣営からため息が漏れる。維新元職の牧義夫さん(56)が民主新人の刀禰勝之さん(44)と並び立つ。牧さんが四選した民主を離党した経緯もあり、協力は「そもそもあり得なかった」(民主党県連関係者)という関係だ。

 牧さんは九日、名古屋市瑞穂区での演説で「民主も結局、自民と一緒だ」と矛先を古巣に向け、東海四県の小選挙区候補の大半が中部電力労組と核燃料サイクル推進などを盛り込んだ政策協定を結んでいることを批判した。これに対し、瑞穂区の男性支援者(78)は「二人とも出て自民に勝てると思うのか」と自民を利する状況を嘆いた。

 民主が候補を立てなかった福井1区でも、維新は共闘関係をつくることに苦しむ。公示前、民主のほか、社民とも協力を申し合わせたが、憲法など政策の違いもあり、具体的な連携はない。福井市内で六日夜開かれた維新新人の鈴木宏治さん(41)の個人演説会では、用意した二百席は半分も埋まらなかった。陣営の一人は「民主も組合関係も誰もいない」と嘆いた。

 民主との候補者調整の末、維新新人の松田直久さん(60)が立った三重1区。松田さんは演説で必ず、「野党結集を」と繰り返す。しかし、民主県連は支持母体の連合三重が維新に批判的なことに配慮し、地方議員が応援弁士に立つことを認めていない。

 民主内部には「協力しないなら一本化した意味があるのか」との声もあり、表立った応援でなければ黙認しているが、維新側が望む「全面協力」には至っていない。

 岐阜4区の維新前職、今井雅人さん(52)にも、古巣の民主が支援に回ることになったが、連合岐阜は自主投票を決めている。

 民主新人の徳永久志さん(51)と維新前職の岩永裕貴さん(41)が並び立つ滋賀4区。七月の知事選での対立もあり、維新陣営は「仮に(協力の)話がまとまっていたとしても、支援を得られたとは思えない」と両陣営の遠さを口にした。