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中部ニュース

自公タッグの実情は 推薦・選挙区で差、演説・協力触れず

 自民、公明両党が与党として五年ぶりに衆院選に臨んでいる。中部各地の集会などでは、選挙協力する両党の候補が「選挙区は自民、比例は公明へ」と呼び掛ける光景もみられる。ただ、公明側が自民候補の推薦を見送る選挙区があり、温度差が出ている。

 愛知県稲沢市で六日夜に開かれた集会。比例東海の公明前職、伊藤渉さん(45)が「比例ではお力添えを」と訴えた。一緒に登壇した地元愛知9区の自民前職長坂康正さん(57)は「自公でまっとうな政治を進めたい」と大声で応じた。

 両党は、安定した政権運営が可能な絶対安定多数(二百六十六議席)を上回る議席を目標に、経済政策「アベノミクス」推進などの共通公約も掲げる。公明側が小選挙区の自民候補を応援し、見返りに比例で協力を求めるのが一般的だ。

 愛知県内でも、民主候補と激しい争いを続ける自民候補が、前回衆院選の比例で三十六万票に上った県内の公明票に期待し、全十五選挙区で推薦を求めた。ただ、実際の推薦は九選挙区にとどまる。

 愛知県の公明幹部によると、地方レベルの推薦は、自民候補が公明への協力態勢を確約できるかに加え、候補の「集票力」を見極めて決める。支持母体の創価学会の集票力に陰りが見える中、推薦に見合う見返りを確実に求めたい考えだ。公明票に期待しながら推薦をもらえていない自民前職の陣営関係者は「なぜ出ないのか。最後には出ると信じる」と望みをつなぐ。

 愛知県内で自民党候補の演説会に出席した男性(71)は「集団的自衛権への立場など自公には違いも多いのに…。(両党とも)ご都合主義という感じだ」と戸惑いを見せた。

 三重県内でも自民が全五選挙区候補者への推薦を依頼したが、二つの選挙区で見送られている。公明の三重県幹部は推薦していない二候補について、「信頼関係をつくっているところ。公明支持者は自主投票になるだろう」と明かす。公明は比例東海の単独候補として前三重県議を擁立。前県議は公明が推薦した自民候補の事務所開きなどに顔を出し、両党の親密ぶりをアピールしている。

 岐阜県で公明は小選挙区の自民全五候補に推薦を出した。公明の地元幹部は「公明の得票を増やすには自民との協力が大切」と話す。ただ、自民の岐阜県連は十一月下旬の県連選対会議で、比例も自民への投票を呼び掛けるよう地方議員らに徹底。ある自民候補の陣営は「自民一強の今、選挙協力のメリットが見いだしづらい」と話す。

 公明の岐阜県本部代表の岩花正樹県議は「公明議員が参加しない演説会では、選挙協力に触れない自民候補もいる。一方的支援にならないよう自民と協議したい」とくぎを刺した。