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生活温める訴えは 主要政党候補、経済に重点

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 主要政党の候補者が本当に力を入れている政策は何か? 選挙戦初日の二日、名古屋市内で記者が候補の第一声や街頭演説を聞き、各争点にどれだけの時間を割いたかをまとめた。

 六党の候補がそろった愛知1区。六人中、四人が最も時間をかけたのは、安倍晋三首相が最大の争点とする経済政策「アベノミクス」。自民前職は「政策を継続させて」と求める一方、集団的自衛権や原発再稼働には触れず、意気込みや支援者へのあいさつに終始した。

 民主元職はほとんどの時間を使ってアベノミクスを批判。共産新人と減税新人の二人は、消費税率10%への引き上げ反対を鮮明にした。次世代新人は自己紹介の後、九条改憲にすべての時間を使った。社民新人は候補者の中で唯一、特定秘密保護法に言及した。

 維新は1区に候補がいないため、愛知4区の元職を取材。演説で「身を切る改革を」と繰り返し、議員定数の削減などを唱えた。

「物足りない」「改憲は嫌」

 主要政党の候補者の街頭演説を市民はどう受け止めたか。六党の候補がそろった愛知1区を中心に街角の有権者に聞いた。

 名古屋・栄の繁華街。「この国に再び分厚い中間層の復活を」と訴えた民主元職の演説に、名古屋市西区の無職藤井信也さん(73)は「高度成長期のような中間層を戻すのは、厳しいだろうね」とぽつり。「でも、その方向で頑張ってほしい」と期待を寄せた。

 同じ栄のデパート前では減税新人も演説。愛知県小牧市の不動産業井上明男さん(59)は「訴えは感動するんだけど、表面的な内容が多い」と手厳しい。「減税の考え方はいいが、それにこだわりすぎているのではないか。消費税増税をやめるなら、代案が必要では」と投げ掛けた。

 共産新人の第一声を聞いた名古屋市北区のパート服部勝一さん(69)は、月約二十万円の年金で妻と二人でアパート暮らし。最近は円安による物価高もあり、貯金を取り崩して生活している。候補が訴えた消費税増税反対に「生活者としては助かる」と語る。一方で「党の公約を総花的に並べた演説になり、少し物足りなかった」とも。

 「私たちみたいな苦しい生活をしている者の立場に立って発言していて好感が持てた」と話すのは、社民新人の演説を聞いた名古屋市昭和区の無職水野遵吉さん(80)。

 ただ、候補者が消費税増税に強く反対したことには、「責任政党じゃないから言えるんだろう。実際、消費税を下げたり、なくしたりするのは難しいでしょ」と淡々と話した。

 名古屋市中区の金山総合駅前で市バスを待っていた同市港区の介護ヘルパー吉川紀代美さん(61)は、次世代新人が改憲を訴える演説を聞いた。「憲法は大事な争点」としながらも、「九条を変えようというんでしょ。私の考えとは合わないわね」と話し、バスの時刻表に目をやった。

 愛知1区の自民前職は選挙事務所内で第一声。街頭演説はせず、終日、支援者の事業所などを回った。

 国会議員の身を切る改革に六割を割いた愛知4区の維新元職の出陣式。名古屋市瑞穂区の主婦山本美智子さん(69)は「しっかりやってほしい分野。決意が伝わって良かった」。安倍政権批判に終始したことには納得がいかなかった様子で、「アベノミクスで景気が良くなる期待もあるんだけど…」と首をひねった。