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富山

「選択肢示せず」反省

参院選公示前、富山選挙区の候補者擁立の断念を発表する民主県連の高田一郎代表(中)ら=富山市奥田新町で

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 「県民に選択肢を与えられないのは“自殺行為”だ」。参院選富山選挙区で候補擁立を最後まで主張していた民主党県連のある幹部は、公示前の六月下旬の幹事会で見送りが決まると吐き捨てるように言った。選挙区で「不戦敗」となれば、比例代表の獲得票にも影響することを心配しての発言。民主の県内比例代表得票数は三年前の前回より約十一万票減り、懸念は現実となった。

 民主党県連の山上正隆幹事長は「候補を擁立できずじくじたる思いだった」と選挙戦を振り返る。県内投票率は参院選で補選を除き過去二番目に低い50・23%で、三年前の前回選より14・63ポイント減。全国で最も下がり、半数の有権者が棄権した。「二人に一人しか投票しなかった責任の一端はある」

 野党共闘による無所属統一候補の擁立を最後まで目指していた社民党県連の柴義治幹事長も「投票率がこんなに下がり責任を感じている」と肩を落とす。今参院選で自民党の堂故茂さん(60)が勝利し、自民は衆参の県内五議席を独占。「自民の壁は厚い」との認識を示し、「勝てる候補を立てて県民の関心を高めるためにも野党共闘を目指さないと。民主県連とも日ごろから腹を割って話せるようになりたい」と話した。

 「党の支持を県全体に広げるためにも一人でも多くの地方議員を輩出したい」。共産党の火爪弘子県議は、候補を擁立するも惨敗した今回の反省を糧に前を見据える。視線の先は、十月一日告示の上市町議選を皮切りに十一月まで続く高岡、射水、滑川の三市と入善町の地方議員選挙。民主の山上、社民の柴両幹事長も、次の国政選挙を前に「県民の党に対する信頼を高めるためにもまずは地方議員を輩出し、足場を固めることが大事」と意見は一致する。

 一方、野党を迎え撃つ自民党県連の山辺美嗣幹事長も「今回は野党が自滅した感があったが、今後もずっと自民に有利な構図が続くとは思えない」と話し、「県内ではこれから大事な地方選挙が控える。おごりが出ないようにしたい」と気を引き締めた。

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 二十一日に投開票された参院選富山選挙区は、自民の圧勝に終わったが、半数の有権者が投票意思を示さずに「沈黙」した。沈黙を招いた背景や今後の県政界の展望に加え、今回から利用解禁されたインターネットが沈黙を打ち破る可能性があるかを探る。