中日新聞プラス
中日新聞 chunichi web
文字サイズ
石川

針路を占う 大敗民主 

落選あいさつのため、重い空気の事務所で壇上へ向かう一川保夫さん(中)=21日夜、金沢市割出町で

写真

立て直しへ「十年の計」

 民主党石川県連代表の近藤和也は開票日の二十一日夜、金沢市割出町の同党候補、一川保夫の事務所にいた。テレビは早々に自民候補の当確を伝えた。結果を予期してか、事務所に集まったのはわずか二十人程度。がらんとした事務所で近藤は言葉少なに語った。「今、民主の旗に集まれと言えない。一人一人が地道に同志を増やすしかない」

 党の存在意義を否定する発言をせざるを得ないほど、結果は深刻だった。元防衛相、参院幹事長という実績を強調しながら選挙に臨んだ一川は新人相手にトリプルスコアに近い大敗。最大五人いた県関係の民主国会議員はゼロになった。

 圧勝した自民は、国会議員と県議が連携し、地域の隅々まで知り尽くす市町議が選挙でもフル回転。県内全域で盤石の態勢を築いた。対照的に民主は組織のもろさが際立つ。

 民主陣営の県議は昨年の衆院選前、九人いた。衆院選の選挙区全敗後、金沢市選出の三人が一川と距離を取り、五月には白山市選出の米光正次が六十二歳で急逝。選挙で前面に立つ県議が五人まで減ると、民主離れは系列市議らに伝播(でんぱ)し、一川が総決起集会を開いても満足に会場を埋められない状況に陥った。

 一九九八年の民主結党から十五年。逆風に揺らがない組織をつくれなかったのか。若い県連代表の近藤は「その方法が分かればもっと戦えた」と嘆く。

 来春の知事選が迫るが、民主五人の県議会会派・県政石川は最大会派自民の二十六人に比べ圧倒的に少なく、知事に対する姿勢も会派内で割れる。国政選挙惨敗続きで影響力も低下し、“三重苦”に直面している。

 県政石川会長で党県連幹事長の石坂修一は「知事選は誰が出るか未定の段階。コメントのしようがない」と言葉を濁すが、主導権を握ろうとする自民に対抗する有効な手だてが見つからないのが実情だ。

 次期国政選挙の候補選定も急務だが、「腰を据えてやらざるを得ない。民主逆風の中で誰か出てくださいと言っても、良い返事があるかという問題がある」と石坂。

 県連代表の近藤は二十三日、民主最大の応援団、連合石川の執行委員会に赴き、会長の狩山久弥らに「衆院選から八カ月で党勢を立て直せなかった」と大敗をわび、出直しを誓った。労使闘争の世界に長く身を置く狩山は「戦いは結束と粘りがないと駄目。民主はその両方がなかった」と振り返る。

 「若い政治家に良い人材もいる。誰が国政を狙い、支える県政を狙うのが誰かを話し合い、力を合わせる体制をつくるべきだ。実現には十年。それをやらない限り民主の再生はない」。そう助言するのだが…。 (文中敬称略)