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岐阜

<参院選を終えて>(下) ネット選挙 活用手探り、次に期待

ネット選挙を振り返る学生ら=瑞穂市穂積の朝日大で

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 インターネットによる選挙運動が解禁された参院選を、ネット世代の若者たちはどうみたのか。岐阜選挙区(改選数一)に出馬した候補者の交流サイト「フェイスブック(FB)」やツイッターを見続けた朝日大学法学部(瑞穂市)の学生らからは、「書き込み内容に慎重さが目立った」「もっと政策論争を」などの厳しい意見が相次いだ。

 学生は、斎藤康輝教授(憲法学)のゼミで学ぶ三年生八人。FBやツイッターに質問を投稿したり、公示日には第一声の集会にも駆けつけ、候補者の生の声を聞いた。

 「FBは演説の告知ばかりのように感じた。正直、見たいとは思えなかった」と、不満を口にするのは松野貴史さん(21)。政党や候補者のホームページ(HP)で主張を確認した上で、だれに一票を入れるか決めた。

 候補者は二〜五種類のサイトで情報発信しており、市橋満里菜さん(20)は「手広くやりすぎ。どれを見れば候補者のことを知ることができるのか分からなかった」と話す。

 ネットをどう使えばいいのか、有権者側も戸惑っている様子がうかがえたという。「ネット上で政策への疑問をぶつけたり、候補者と議論をしても良かったのでは」(松野さん)

 学生たちの書き込みに対し、候補者はそれぞれ回答してきた。「これまでの選挙では、候補者と直接やりとりする機会はなかった」。下条友輔さん(21)の目には新鮮に映った。

 一方、斎藤譲一さん(20)が訴えたのは、選挙期間以外のネットの活用だ。「普段からツイッターなどで意見を発信して初めて、フォロワー(読者)が増える。関心を集めるには、選挙の時だけ頑張るのでは物足りない」

 斎藤教授も、岐阜選挙区のネット選挙を見続けた一人。改選数が「二」から「一」に減ったため、選挙前から自民が圧倒的優位とされたことに注目する。「今回から一人区になった岐阜だからこそ、自民新人の大野泰正さんに、他の候補者はもっと論戦を仕掛けるべきだった」

 民主新人の吉田里江さんは、ネットで独自の発信をした。有権者の生の声を録音し、自分のHPで自由に聞けるようにしたが、得票数は大野さんの四割ほどにとどまった。

 「普通に戦えば、自民に対抗できないことは予想できた。憲法に関連するゆるキャラを作ってネット上で発信するとか、とにかく話題をつくる必要があった」と斎藤教授。組織票を固めた自民に対抗するため、ネットに身近な若者をひきつける工夫を求めた。

 参院選をきっかけに、FBやツイッターを開設した候補者たちもいる。普段から積極的に書き込みをして、情報発信や有権者との交流に生かせば、若い世代の距離感を近づけられる可能性もある。

(参院選取材班)