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福井

<記者座談会> 組織力の自民に期待票

 参院選福井選挙区は、自民新人の滝波宏文さん(41)が圧倒的な得票数で初当選を飾った。一方、民主公認候補の得票数は、二〇一〇年の前回参院選の三分の一以下に。投票率は11・48ポイント減の53・78%と過去二番目の低さに終わった。参院選取材を担当した記者が選挙戦を振り返った。

■圧 勝■

 A「自民は与党に返り咲いて迎えた選挙で、首長や業界団体が前回より自民支持を明確に打ち出し、票の掘り起こしができた」

 B「(公認候補を選ぶ)党員投票のしこりも自民の一部であったが、一致結束した。福井、敦賀市以外では後援会組織の立ち上がりもスムーズだった」

 C「自民は政党として機能したわけだが、民主はどうか」

 D「党が力を落とし、元県議の新人候補とあって知名度の面でも厳しかった。滝波さんも新人だが、組織力が違う。自民の政策は有権者にとって魅力的で、夢や希望を与える内容だ。対抗できる政策が示せなかった」

 B「共産票は、永平寺町を除く十六市町で前回を上回った」

 E「二大政党の片翼が崩れた上に第三極の影も薄れ、消費税増税反対や原発即時ゼロの主張で存在感を示せた。ある程度、無党派層や非自民の受け皿になれた。ただ、業界団体は共産に共感しても、政権与党を推薦する方針は変わらなかった」

■低投票率■

 F「投票を棄権した有権者の取材では『どうせ自民で決まり。自分が行っても一緒』という声を聞いた。『選挙やってたの』と言う若者までいた」

 C「原発や改憲、環太平洋連携協定(TPP)、衆参のねじれなど争点は多かったはずなのに」

 F「自民支持者も民主支持者も、関心は身近な生活、地元経済の立て直しとかにあったようだ。求めることが大して違わず、争点にしにくかったのか」

 C「候補者選びの過程も影響したかも。自民は党員投票が決まった時点で、選挙が終わった感があった」

 A「民主は公認候補決定の遅れが響いた。昨冬の衆院選惨敗で、皆引いてしまった」

■活 躍■

 C「滝波さんは二十四万票近い得票。どこを評価するか」

 A「財務官僚としての経験を生かし、国とのパイプ役になれるのでは。要望を伝えるだけじゃなく、地方が必要とする生の情報を東京でキャッチできるのではないか」

 B「政策などに関し、優れた説明能力がある。中央での知見や人脈を生かし、福井の存在価値を明確に発信できそう」

 F「公示前の公開討論会の印象だが、『古里の視点で政策を見直す』など理念的な言葉が多い。具体的に何をするのか。きれい事ばかりで響かない」

 D「東大出身で元財務官僚。華麗な経歴に、今後の活躍を期待した人もかなりいるはず。頑張ってもらいたい」