見極める 票ナビ100の質問

23万票減 対立より対話を

2013年4月22日

 <解説>

 名古屋市民は三たび、河村たかし氏を市長に選んだ。市長自身や議員の報酬を年八百万円に削減するなど、議会や市役所の既得権に切り込んだことが、率直に評価されたといえよう。「庶民革命」の継続は信任された。

 ただ、得票率六割の圧勝だったとはいえ、得票数は前回より二十三万票余減らした。得票数の二倍を超える市民は棄権。「革命」を後押しした民意は、熱を失いつつある。

 河村市政の一期四年は、議会や役所との対立に明け暮れた。市長は市議会の解散請求(リコール)だけでなく、議案が通らないと拒否権にあたる再議を連発。目抜き通りの中央分離帯撤去など肝いり施策が頓挫すれば、「役所が言うことを聞かん」と、行政トップの自覚を疑わせるような発言を繰り返した。

 河村流のカンフル剤は十分に打ち込まれた。発信力も誰もが認めている。が、議会で過半数を持たない以上、敵対勢力を攻撃し、対立をあおるような政治手法では、次の四年も市政が停滞するのは目に見えている。

 市民が求めているのは、景気回復や福祉の充実といった安心できる暮らしだ。じっくりと市長のいすに腰を据え、議会や市職員と丁寧に対話をし、市民の負託に応えてほしい。行政運営に、派手な劇場型はいらない。(名古屋市政担当キャップ・朝田憲祐)