見極める 票ナビ100の質問

河村流 熱気なき信託

2013年4月22日

 圧勝だった。二十一日投開票の名古屋市長選は「庶民革命」を掲げる現職の河村たかしさん(64)が三度目の当選を果たした。減税や報酬をめぐる市議会との対立、昨年暮れの衆院選での迷走。それでもなお「やり抜かないかん」。既成政党との対決を続ける姿勢は変わらない。ただ、投票率は前回を大きく下回り、かつての人気や熱狂にかげりも漂った。

 「減税をやれという民意は、これで三度目だ」。三選を決めた河村さんが絶叫すると、集まった支援者らが「減税が増税に勝ったー」と歓声を上げた。

 午後八時の投票終了とともに「当確」が伝わる圧勝。名古屋市東区の事務所前に設置されたトラックの荷台で、市内を駆け回った自転車にまたがり、支援者からバケツ六杯の「祝い水」を浴びせられた。

 「日本中が増税地獄の中で、ちょっとでも庶民の懐を温める減税を、名古屋からやり抜かないかん」

 祝福に駆けつけた大村秀章愛知県知事もマイクを握り「政権が代わって、国と合わせなかったら名古屋の発展がないようなことを、東京から訳の分からない連中が来て偉そうにものを言っていった。バカじゃないか」。減税廃止の対立候補を支えた自民に矛先を向け「国と歩調を合わせなかったら名古屋、愛知の将来はないと選挙戦で言っていた。今回の大勝利は、国からの独立に向けた第一歩だ」。河村さんも手をたたいて喜んだ。

 だが、二期目の市政に「壁」としてたちはだかる市議会は、一期目以上の強敵だ。

 河村さんの減税日本は二〇一一年の出直し市議選で二十八議席を獲得、第一党に躍り出た。その後、不祥事が続いて十一人が離脱し、今や既成政党の「反河村」陣営に加わる。さらにこの日の市議守山区補選で自民が勝ち、市議会の単独第一党となった。

 選挙公約で市民税5%減税の継続と、市長と議員の報酬を年八百万円に恒久化する条例案の提出を掲げた河村さん。勝利集会で早くも議会側をけん制し「この民意は実現されないかん」と六回も繰り返した。

 その後の会見では、議会との関係に質問が集中。「条例案が否決されたらどうするか」と問われると「誠心誠意、相談しますけど、否決は私への不信任と同じ。実現のためにありとあらゆる手段をとる」。議会解散請求に再び打って出る可能性を否定しなかった。

 低投票率で前回より二十三万票余も減らし、人気のかげりが浮き彫りになった。本紙出口調査では、河村さんに前回投票した人の四分の一が、今回は対立候補に流れている。

 「あんまりそういうことを考えとると、疲れますわ」。会見で再三、「河村離れ」を問われたが、最後までかわし続けた。「選択された民意を無にすることは絶対にできない。私の存在価値がなくなります」。二期目の荒波に向け、自分を鼓舞してみせた。