静岡

取材記者たちが振り返る(下)

2016年7月13日

 参院選が終わり、何が動きだすのか。今後の焦点となる改憲や来年の知事選について取材記者が語り合った。

◆すぐ改憲とはならない

 細井卓也静岡総局デスク 全国的には改憲勢力が衆参で三分の二を確保した。各陣営、政党の反応や受け止めを教えてほしい。

 本田英寛記者(選挙統括) 自民党現職の岩井茂樹さんの選挙実務を担った県議は「英国のEU離脱のように自分が投票しないと勝手に物事が決まると危機感を持って投票した人が多かったのでは。改憲の国民投票のハードルは高くなった」と興味深い分析をした。

 一方で「若者の多くが自民党を支持していたのは意外。社会全体が保守的になっている」とも。中日新聞の世論調査でも十代、二十代の多くが自民党を支持した。県議が言うように改憲に向けた保守的な政治環境が醸成されつつあるのかもしれない。

 神谷円香記者(民進党陣営担当) 榛葉賀津也民進党県連会長は「自公の間でも憲法への考え方はまったく違う。改憲勢力は極めて流動的で改憲はすぐではないと思う」との見方を示していた。実際、蓮池章平公明党県本部幹事長は「公明党は加憲の考えを示している。すぐ改憲とはならないのではないか」と慎重だった。

 松野穂波記者(共産党陣営担当) 自民県連の宮沢正美幹事長は「すぐに改憲する、しないということではない」と話したが、安保法制は一四年の衆院選で明確な争点になっていなかったのに採決された。改憲には国民投票が必要なので参院選後も考え続けないといけない。

◆知事選に自民危機感も

 細井 自民と民進が議席を分け合った選挙結果は来夏の知事選にどのような影響を与えるのか。

 本田 ある自民県議は、民進新人の平山佐知子さんに肉薄されたとして「全然勝った感じがしない。本当なら十五万票差ぐらいつけないといけない」と嘆いていた。

 川勝平太知事が三選に向け知事選に出馬することが濃厚とみて「良い候補を秋までには見つけて、準備しないと間に合わない」と危機感は強かった。

 河野貴子記者(自民党陣営担当) 塩谷立自民県連会長は岩井さんの出陣式で「岩井候補がトップを取れなければ、来年の知事選や選挙に影響が出てくる」と必死に訴えていた。ある自民市議は「知事選と参院選は関係ない。平山さんは個人票が集まった。知事選にはしっかりした候補を自民から出す」と強気だった。

 松野 宮沢自民県連幹事長は「参院選は県内全域が選挙区。知事選と同じ構図だ」と指摘している。

 榛葉民進県連会長は、川勝知事が特定候補を応援しなかったことから「参院選と知事選は別問題」とした。平山さんが岩井さんに迫ったことに「候補者の人柄で票が集まった部分もある」とも。県政のトップを選ぶ知事選では党派よりも候補者個人が影響するのではないか。

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