連載

<安城学園高校3年10組政治デビュー> 初めての投票

2016年7月9日

期日前投票する山本悠斗さん(右)と増田幸朗さん=愛知県岡崎市役所で

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 参院選の投開票が十日に迫った。新たに有権者となった十八歳の投票行動を探るため定期的に訪れている安城学園高校(愛知県安城市)三年十組では、同県岡崎市に住む男子生徒二人が七日、市役所で一足早く期日前投票を体験した。初めての一票の感想は。

 「名前がいっぱいあって焦った」。平日昼間とあって人影まばらな市役所東庁舎ロビー。投票を済ませた山本悠斗さん(18)は、日焼けした顔で苦笑いした。記載台に掲示された比例代表の候補者名の多さに戸惑ったようだ。一緒に投票した増田幸朗さん(18)も「初めてだから、緊張した」。

 この日は午前だけの授業を終え、帰宅途中に投票所へ。二人とも愛知選挙区の九人の候補者を実際に見たことはない。でも担任の酒井正二教諭(59)が授業で言っていた。「候補者を知らなくても、政党の政策は分かる。自分でどの政策がいいかを選ぶこと」って。

 硬い表情ながらも順調に投票を終えた二人に、どんな基準で投票したのか聞いた。「僕はアベノミクス」と増田さん。酒井教諭らが十八歳選挙権や政治の話を授業でするようになり、関心を持ち始めた。新聞やテレビを見て、恩恵を受けた人とそうでない人がいると知り「このまま続けることがいいのかどうかを考えて投票した」。

 一方の山本さんは、それほど政治に関心はない。「よく分かんないし、仲間とワイワイやる方が好きだし」。父親がニュースの解説をしてくれても「フンフン」と受け流すことが多い。それでも「来年は就職して社会人になる。税金や原発のことは嫌でも知っておかないと」。酒井教諭が授業で配った各党の主要政策を比較した資料を参考に投票したという。

 岡崎市内で七日までに期日前投票をした人は、前回参院選の同時期に比べ24%多い。若者が増えたからかどうかは分からないが、市選管の野々山浩司さんは「以前の国政選挙では高齢者が多い印象だったが、今回は家族連れで若い人を何度も見かける」と話す。

 十八、十九歳の投票は政治を変えるのか。「自分の一票は大したことないと思うけど、選挙に関われたし、一つの意思表示はできたと思う」と山本さん。そしてきっぱりと言い切った。「選挙権があるなら行かなきゃ。そして続けなきゃ」

 (重村敦)

 =終わり

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