連載

<安城学園高校3年10組政治デビュー> 投票行く!行く!!

2016年7月6日

酒井正二教諭に「選挙権を得たら投票に行く人?」と問われ、手を挙げる生徒たち=愛知県安城市の安城学園高で

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◆「政治変わるかも」

 終盤戦に入った参院選。新たな有権者となる十八歳の投票行動を追うため、定点調査を続ける安城学園高校(愛知県安城市)を五日に訪ねると、取材対象の三年十組は社会科の酒井正二教諭(59)による参院選特別授業の真っ最中だった。

 「選挙権を得たら投票に行く人は手を挙げて」。酒井教諭が尋ねると、全三十九人のうち八割が手を挙げた。二〇一四年末の衆院選は全国の投票率52・7%に対し、二十代は32・6%。データと反応の差に驚いた酒井教諭が「ほんとにか」と念押ししても、生徒たちは「行く」「行く」。

 酒井教諭が次に示したのは、米国の調査会社などが発表した世界各国の国民幸福度や国政選挙の投票率を順位付けしたデータ。デンマークやスウェーデンはどちらも高く、日本はどちらも低い。「こういう国になってほしいと、選挙で意思表示をする人が多いほど幸福度が高いということ。投票に行く人が増えれば幸福度が上がると思います」

 最前列にいた渡辺健斗さん(18)は「投票率と幸福度が関係あるなんて」。伊藤草太さん(17)も「投票することで、いい国ができるんだと思った」と話した。

 四十分間の授業後半。酒井教諭は経済政策と憲法改正という参院選の争点や、各党の主な政策を紹介。与党が過半数を取ることの意味や、当選するのが一人だけの「一人区」で野党が候補者を一本化していることも説明した。

 昼食後ということもあって机に伏せる生徒も。酒井教諭は「一気に関心をなくしたなあ」と言いながらも、安倍晋三首相が目指す憲法改正に触れ「与党は戦争をするために憲法を変えようとしているわけじゃない。でも憲法を変えると、戦争ができる国になる可能性が出る」と強調。「どの政党がいいか、自分で考えて投票してほしい」と締めくくった。

 三十九人のうち選挙権があるのは十一人。授業後、山浦あみかさん(17)は「私たち高校生はみんな戦争はしたくないと思っているはず。今回、私は選挙権がないけど、高校生も選挙に行けば政治は変わるかも」と話した。

(重村敦)

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