連載

<公約点検>(5)働き方改革 「同一賃金」中身に差

2016年6月30日

写真

 「働き方改革」も大きな争点の一つだ。中でも非正規労働者と正社員の給与格差の是正に向け、各党は「同一労働同一賃金」の実現を公約に掲げた。同じ仕事なら同じ賃金がもらえる制度。民進党発足前の旧民主、維新両党が二〇一四年衆院選で公約にしていた。安倍晋三首相は今年一月の施政方針演説で実現を目指す考えを示し、自民党も参院選公約にした。

 各党の掛け声は同じだが中身には濃淡がある。自民党は同一労働同一賃金の実現で「正規・非正規の格差を是正する」と表明。具体策には踏み込まなかった。公明党は、正社員の六割程度にとどまる非正規の賃金を「正規の八割程度に引き上げる」と明記。その際に「正社員の処遇を引き下げて対応しない」と加えた。

 かねて同一価値労働同一賃金を主張してきた民進党は、安倍政権の姿勢を「かぶせてきた」(岡田克也代表)と批判。公約では、合理的な理由のない賃金・待遇差別を禁じる立法を主張。制度導入に当たり「非正規労働者の賃金・待遇に全体を合わせることがないようにする」と訴える。

 非正規労働者に関する他の待遇改善策として、自民党は正規雇用への転換を「果断に進める」と強調。公明党も正社員転換に向け「能力開発の機会を充実」させるとした。民進党は、非正規労働者を正社員として雇った中小企業に、社会保険料の事業主負担分の二分の一相当を助成する支援策を公約した。共産党も正社員化を主張する。

 安倍政権は昨年、労働者派遣法を改正し、企業は働く人さえ代えれば、どの業務でも従来の三年の期限を越えて派遣労働者を雇い続けられるようになった。民進、共産など野党は「一生派遣」が増えると反発し、公約に再改正を掲げた。

 各党は長時間労働の見直しも公約する。自民党は「是正する」と強調。公明党は時間外労働の規制を検討するとした。一方で、政府は研究開発部門などに従事する社員について労働時間制限を事実上撤廃し、仕事の成果で賃金決定する制度を導入する法案を国会に提出している。

 野党は法案を「残業代ゼロ法案」と批判。民進、共産両党は公約に残業時間の上限を定めると明記した。終業から次の始業まで一定の休息時間を設ける仕組みも挙げた。(中沢佳子)

主な政党の公約

新聞購読のご案内