長野

<解説>批判が中心、政策論争少なく

2016年7月11日

 一議席を巡る戦いとなった長野選挙区は過去最多の五十七万票超を得た民進の杉尾秀哉さんが初当選した。民進、共産、社民の野党の厚い支持層が、猛追した自民現職の若林健太さんをはねのけた。

 とはいえ、三年前の参院選の票を単純に足せば野党三党で六十万票以上を狙えた。三年前の三十六万票から大幅に伸ばした自民に接戦に持ち込まれたのは、野党共闘に賛同できない有権者がいたことに加え、野党陣営の主張が安倍政権の批判中心になり、政策論争が盛り上がらなかった面にもあるだろう。

 杉尾さんが訴えた政権批判や改憲の阻止、安保法廃止の他にも県には人口減少や環太平洋連携協定(TPP)など、暮らしに直結する課題がある。全県の代表になった重みを受け止め、県民の声に耳を傾け政策を打ち出す姿勢が求められる。

 県の将来を巡る政策論争が低調だった原因は「落下傘候補の阻止」を争点にした自民陣営にもある。有権者を引きつける争点を打ち出せず、全国的に優勢な中、二十一年ぶりに議席を失った。

 選挙権年齢の引き下げで十八、十九歳が史上初めて臨んだ選挙だった。若者たちに胸を張れる選挙戦だったか、疑問が残った。

 (今井智文)

主な政党の公約

新聞購読のご案内