三重

<解説>党代表の地元で意地

2016年7月11日

 自民、民進両党が連日、互いの幹部らを投入する総力戦となった三重選挙区。鈴木英敬知事の参戦が対立を加熱させる中、民進が岡田克也代表の地元で意地を見せ、前回選の雪辱を果たした。

 野党候補が乱立した前回選は、安倍政権の経済政策「アベノミクス」への期待感から、岡田代表が地盤とする県北部でも大票田の四日市、桑名などで自民にリードを許した。今回は「三重で負けたら代表選に出ない」と退路を断った岡田代表。地元での連敗は党勢退潮の「象徴」となるだけに、その阻止は自らに課した至上命令だった。

 党の進撃を支えてきたのは、県議会会派・新政みえと連合三重が選対組織に加わる共闘態勢だ。ただ、従来通りの組織頼みの選挙に限界を感じ、野党票の結集と無党派層の取り込みを模索。市民団体を介した野党候補の一本化にかじを切った。支持層離れも懸念されたが、県連は「従来は手が届かなかった層に訴えが広がった」と一定の手応えを得た。

 一方、自公政権と山本さんの支持を打ち出した鈴木知事の参戦は、新たな対立の序曲を奏でた。新政みえは投開票日直前に抗議書を提出し、問責決議案の提出もちらつかせている。敗戦で政治的影響力の低下が必至の鈴木知事に対し、追撃の手を緩める気配はない。

 ただ、旧民主党政権時代に有権者が抱いた失望感はいまだ消えていない。今回は選挙態勢や戦略の不備が指摘された自民の「敵失」や、地元の判官びいきに助けられた側面もある。現状維持に満足していては復権はおぼつかない。「王国」の復活を期す戦いは道半ばだ。

 (相馬敬)

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