中部

「政策重視」初の一票 中部18、19歳調査(4)

2016年7月13日

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 十日に投開票された参院選の後、本紙は中部六県(愛知、岐阜、三重、長野、福井、滋賀)の十八、十九歳の百人に四回目のアンケートを行った。投票に「行った」と答えたのは八十五人。六月二十二日の公示前に行った初回調査で投票に「行く」「行くつもり」と前向きな回答をしたのは七十二人で、十八日間の選挙戦を通じて関心が高まった。一方、投票先を選んだ理由を聞くと、「政策」が半数超で最も多く、「親や友人などからの依頼や助言」も二割超あった。

 一〜三回目調査と同じ百人に、十〜十二日に電話などで取材した。

 投票先を「政策」で選んだのは四十八人。政治について事前の知識がさほどない状態で選挙に臨んだ新有権者が多かったとみられる中、慎重に吟味した様子がうかがえる。「親や友人などからの依頼や助言」は十八人で、次いで「支持する政党」の十一人だった。

 政策を選んだ四十八人に、二つまでの複数回答でどんな政策を重視したかを聞くと、「景気や雇用などの経済政策」が最も多い二十三人だった。「改憲の是非」が十六人、「奨学金」が十五人で続いた。

 総務省の抽出調査によると、十八、十九歳を合わせた投票率(選挙区)は、全体の投票率を9・25ポイント下回る45・45%だった。内訳は、十八歳が51・17%、十九歳は39・66%だった。

 (参院選取材班)

 =終わり

◆若い声反映される/急に選挙権 戸惑った/学校でも教えて

 中部六県の新有権者百人からは、「若者の声が政治に反映されやすくなった」と十八歳選挙権を歓迎する一方で、主権者教育の充実や政策、演説の分かりやすさを求める声が目立った。選挙権だけでは、政治は身近にならないとの指摘だ。

 「急に選挙権を与えられたことに戸惑った人が多かったと思う」とは、愛知県安城市の短大生原田沙季さん(19)。選挙権年齢を引き下げる改正公選法が成立したのは、参院選の一年ほど前。縁遠かった政治と向き合う準備ができなかった新有権者は少なくない。

 「分からないことが多いが、投票に行くことに意味があると思って行った。政治の勉強ができたので良かった」=長野県阿智村、短大生松原雪子さん(18)=との意見の一方、愛知県一宮市の女子高生(18)は「選挙の意味や政策の内容が分からないので気安く投票に行けなかった」。政党や政治家の公約、言葉の難しさに悩んだ新有権者は多い。

 若者と政治との距離を縮めるためには、主権者教育の充実も必要だ。愛知県豊橋市の高校生山本堅氏(けんし)さん(18)は「選挙権を与えただけで『政治を学ぶか学ばないかは自分次第』では投票率は上がらない」と訴え、「学校でも各党の主張を公平に教えれば、ちゃんと選択できる」。さらに名古屋市名東区の女子大生(19)は「若者が、政治と自分の生活を結び付けられないことが問題」と、若者向け政策が増えるよう願った。

 十九歳の投票率が低くなったのは、進学や就職で住民票を残したまま実家を離れたため投票に行けなかった人が多かったことも要因とみられる。本来、転居先に住民票を移すルールだが、成人式などのために実家に残す若者は多く、津市の女子大生(19)は「地元に帰れず投票しなかった。簡単に県外から投票できるようになれば」と話した。

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