文字サイズ
紙面記事

サッカー協会、投資と労

 ドイツの優勝は投資と労を惜しまない同国サッカー協会の支援が実った形だ。ブラジル北東部バイーア州に置いたベースキャンプが象徴する。

 出場国のほとんどは既存のスポーツ施設をベースキャンプ地に選んだが、英国メディアによると、ドイツは約2500万ユーロ(約34億円)をかけて建設したという。15平方キロメートルの敷地にグラウンドや65棟の施設を整備した。

 場所の選定は、昨年12月の抽選で日程が決まった後。1次リーグは3試合とも高温多湿のブラジル北東部が試合会場で、日中の試合開始だった。選定には暑熱対策と移動時間の軽減に重点を置き、万全の練習環境を与えた。

 試合では科学技術を結集させた。協会は昨年、欧州最大級のソフトウエア会社「SAP」と契約し、ドイツや他国の試合におけるデータ提供を全面的に受けた。

 スタンドに設置したカメラの映像を基にコンピューターが選手のポジショニングやスピードを集計。担当スタッフが独自の解析ソフトで「1試合で1人につき何千件単位」とされる数値をまとめ、コーチ陣や選手に与えた。

 ブラジルメディアなどによると、1次リーグ初戦のポルトガル戦でDFボアテングが相手エースのロナルドがいつ、どのタイミングで動くかの分析をスタッフに求め、試合で活用した。

 準々決勝のフランス戦では「中央に比重がかかりすぎ、左サイドの連係が甘い」という相手の弱点がはじきだされた。レーウ監督はそれまでの4試合で中央の守備的MFを任せていたラームを右サイドバックで起用。フランスの左サイドを突くため、攻撃力の高いラームを配置転換させたとみられる。

 協会、コーチ陣、選手が三位一体となったドイツ。4度目の栄冠も必然だった。

(原田遼)