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オリンピック 特集・連載

<黒海の風> バリアフリー再考

 ソチ五輪終盤になって、五輪会場や市街地で、車いすの人を見かけるようになった。

 ソチはロシア有数の保養地というだけあって、平地なら昼間気温も20度弱と、温暖で過ごしやすい、良い街だと実感している。しかし、ハッと気付いたことがある。街中の歩道と車道の段差を、車いすの人たちはどうやって移動するのだろうかということだ。

 ロシア全土で言えることだが、段差が5〜10センチあるのは普通。日本では当たり前の「バリアフリーの街づくり」という考え方には程遠いのが現状だ。

 五輪に向け、ソチ中心市街地では、歩道に点字ブロックが施され、英語で案内が流れる信号機も整備された。ただ、国内では先進的なソチも、体の不自由な人に優しい街になったといえるのは、一部だけの印象だ。

 ロシアは、国民の9%に当たる1300万人ともいわれる身体障害者がいる。冬季五輪が閉幕し、いよいよ3月7日からはパラリンピックが始まる。競技への参加や観戦だけでなく、障害者の祭典の意義をあらためて考える機会としたい。

(原誠司)