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オリンピック 特集・連載

<黒海の風> 「伝説」は「東京」まで続く?

 今大会で最も目立った日本人選手は誰か。この人は間違いなく最有力候補だろう。ノルディックスキー男子ジャンプの「レジェンド」こと葛西紀明(土屋ホーム)だ。

 五輪7度目の41歳にして銀、銅二つのメダルを獲得し、冬季五輪の日本勢最年長記録を塗り替えた。それだけですごいのに、競技を離れても話題を提供してくれた。

 練習はほとんどせず、モーグルや女子ジャンプなどを観戦。「これまでで一番楽しい」と満喫した。個人ラージヒル前日には、屋台で買い食いしたピロシキで腹を下す始末。試合が散々なら批判されそうだが、結果が2位だから恐れ入る。

 サービス精神も旺盛だ。メダル授与式の直後、報道陣にも銀メダルを持たせてくれた。本人以外は触れていない貴重品。「一生の記念」と思った後に帰国時のニュースを見ると、空港で出迎えた見物の人たちに次々に触らせていた。

 引退せずに50歳までやるという。さらに、2020年に東京で開かれる夏季五輪に「何らかの種目で出場したい」と新分野への意欲も示した。「伝説」はまだ続きそうだ。

 (対比地貴浩)