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第14回 日本海文学大賞 小説部門大賞

小説部門大賞

木下訓成さん

小説部門の大賞を獲得し、これからも読ませる作品を書きたいと話す木下さん=広島市佐伯区の自宅で

『じっちゃんの養豚場』 木下 訓成さん




 −六回目の応募で大賞に輝きました。選考委員会では、読むと光景が目に見えてくる文章だとの指摘がありました。

 木下 こんな年になれば、これ以上文章がうまくなることはないでしょう。私は、読むとおもしろくて引き込まれるのが、小説の前提条件に考えています。今回はそれが成功したのかどうか…。実は書き上げて、小説をまったく読まない人、逆に大好きな人の二人に読ませました。するとおもしろかったと言ってくれましたね。

 −今回は、主人公が高校三年生ですね。

 木下 ええ、友人のためにファミコンを盗もうとする不良ですがね。私もその年代では不良だったから(笑い)、主人公の半分くらいは私の要素が盛りこんである。でも昔の場合は、一本筋が通っていたと思うんですが。悪いやつでも、どこかにいいところがあった。今は、甘えが悪になっている気がしますね。

 −山中で若い悪たれと衝突する場面がありました。

 木下 私もキノコや山菜取りをしますので、よく山へ入りますが、空き缶とかゴミが捨ててあって、山の汚れが気になるんです。それでああいう場面を設定したんですが、それをワルの高校生に空き缶を投げさせるふうにしたんです。

 −ところで、木下さんは広島市在住ですが、舞台は鳥取県の船上山なんですね。

 木下 あそこは酪農が盛んな所なんです。私も以前は、家畜の飼料を扱う商社にいて、中国地方各地を駆け回っていましたからね。ブタや鶏などの習性なんかは知っているつもりです。小説にあるブタの去勢は、私もしましたからね。

 −今後は、どんな小説を書く考えですか。

 木下 地元に二十五枚にまとめる文学賞があるんです。これまで私には短すぎてできなかったんですが、これは何とかこなせたら、と思案しているんです。


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 きのした・くにしげ  1935年6月28日、広島県福山市松永町生まれ。早稲田大学第一法学部を卒業、丸紅に入社し、家畜の飼料などを扱う。63年から合同印刷機材に移り、95年に定年退職。現在は同社監査役。趣味はキノコ採集で、第9回には毒キノコを登場させた「余助の場合」で奨励賞を受けるなど、独自の作風で受賞を重ねている。広島市佐伯区観音台4丁目在住。

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