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北陸中日懇話会

産学連携へ拠点整備 山崎・金沢大学長

講演する金沢大の山崎光悦学長=14日、金沢市南町の金沢ニューグランドホテルで

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 十四日に北陸中日懇話会で登壇した金沢大の山崎光悦学長は講演で、日本のものづくりへの危機感を示した。地域の製造業発展のため、金沢大と企業が技術などを共同研究して、地方創生を目指す「オープンイノベーション機構構想」を進めていると明かした。

講演要旨

 日本では製造業が重要な役割を果たしている。国内生産額の三割は製造業で、他の産業への生産波及効果も大きい。しかし、日本の経済力は低下し、成長が停滞している。

 景気指標でもある粗鋼生産量は日本がほぼ変わらず約一億トンであるのに対し、急伸する中国は二〇一三年時点で世界生産の半分に当たる約八億トン。企業の時価総額の世界ランキングでは、千位以内に入る日系企業約九十社を合わせても二百兆円。アップル社やグーグル社など米国ベンチャー企業五社を合わせた二百八十兆円に負けている。

 iPhone(アイフォーン)の電子部品の多くは日本製だが、もうけのほとんどはソフトやサービスを作った米国へいく。日本は部品製造など要素技術はあるが、デザイン力に欠ける。システムを作る技術も必要だ。

 そのためには、開発のスピードを加速させなければならない。大きな組織は動きが遅いこともある。それを解決できるのがベンチャー企業。大企業は自前主義を捨て、技術基盤などある程度はオープンイノベーションで開発し、そこから先のビジネスモデルは自分たちで考えていくようにしてはどうか。

 金沢大は、地域企業とタイアップして研究開発するオープンイノベーション機構構想がある。一六年には学内に、企業と連携して研究開発する「先端製造技術開発推進センター」を設置した。現在、これを研究所にしようとしている。工作機械メーカーが多い北陸の地域性を生かし、製造業の競争力強化のための拠点を形成したい。

 日本は成功しか認めない文化があるが、失敗を許容するのも大切。ハイリスク・ハイリターンでなければ、躍進は望めない。

 ◇ 

 七月例会は三日午前十一時から、金沢市武蔵町のANAホリデイ・イン金沢スカイで、中部経済産業局の富吉賢一局長が「最近の我が国経済の動向と地方創生に向けた政策(SDGs)」と題して講演する。問い合わせは北陸中日懇話会=電076(233)4643=へ。

 

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