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北陸中日懇話会

テロ情報 中小企業に発信 外務省・江端首席事務官

「ソフトパワー外交」のテーマで講演する江端康行さん=金沢市のANAクラウンプラザホテル金沢で

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講演要旨

 北陸中日懇話会(北陸中日新聞主催)の五月例会が十八日、金沢市昭和町のANAクラウンプラザホテル金沢であった。外務省邦人テロ対策室の江端康行首席事務官が、好感を集めやすい人や物を通じてメッセージを送る「ソフトパワー」について解説。「われわれが発信する情報が伝わっていないと、海外の日本人の命に関わる」と話し、人気キャラクターを使った安全対策の周知などを紹介した。(山内晴信)

 今、一般の人が持つ力が重要になっている。世論に直接働き掛けるのが重要。共感を得られやすい人、物を仲介者としてそこからメッセージを発信してもらうことで伝わりやすくなる。

 軍事力や経済力で相手を圧倒して言うことを聞かせるのは「ハードパワー」。それに対して相手に耳を傾けさせ、言うことを聞こうと思わせる力が「ソフトパワー」。例えば文化、政治的価値、外交政策。そういうものを前面に出す。

 テロが頻発している。二〇一六年にバングラデシュであったテロでは、日本人七人が犠牲になった。

海外安全対策マニュアルを紹介する漫画「ゴルゴ13」(C)さいとう・たかを(外務省のホームページから)

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 事件前に、過激派組織「イスラム国」(IS)が日本人を標的にし、欧米系の人が使うレストランも危ないという注意喚起をしていた。情報がきちんと伝わっていれば、被害者はあの日、あの時間、あの場所に行っていない。

 犠牲者の半分は中堅・中小企業の人。安全対策は大企業より弱い。何とか中小企業の社長に情報を読んでもらいたい。文書で安全対策マニュアルを書いても読まない。そこで考えたのが漫画「ゴルゴ13」を使ったマニュアル。これまで漫画の単行本を十一万冊配布し、外務省のホームページ(HP)にも電子版を掲載した。

 企業関係者には見てもらえたかもしれないが、一般の人にも知ってもらうため、この春から外務省のHPで動画を配信している。声優として、知名度があって訴求効果がある俳優舘ひろしさんらを起用した。

 外務省は、インターネットの「たびレジ」というサービスで、渡航先の安全や緊急事態発生の情報を配信している。登録しておくと、何かあればすぐ第一報が入る。安全を確保するにはそれが最も大事だ。

 ◇ 

 江端さんは一九六九年、宮城県生まれ。金沢大法学部で学び、外務省に入った。「たびレジ」への登録は同省のHPからできる。

 六月例会は十四日午前十一時から、金沢市南町の金沢ニューグランドホテルで。金沢大の山崎光悦学長が「地域に愛され、世界に輝く金沢大学の実現に向けて」と題して講演する。問い合わせは北陸中日懇話会=電076(233)4643=へ。

 

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