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北陸中日懇話会

渋滞対策地方に広げる 武藤国交省前次官

講演する国土交通省前次官の武藤浩氏=15日、金沢市内で

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 北陸中日懇話会(北陸中日新聞主催)の二月定例会が十五日、金沢市本町のホテル日航金沢であった。国土交通省前次官の武藤浩氏が国土交通行政について解説。次世代型の自動料金収受システム「ETC2・0」を活用した渋滞対策や交通安全対策の事例を紹介し「大都市から地方にも広げていく必要がある」と指摘した。(田嶋豊)

講演要旨

 「コンクリートから人へ」との方針で公共事業費が削減された時期もあったが、一定の水準を保つことは社会を維持するためにも必要だ。社会資本整備には、公共投資によって経済活動がつくり出されるフロー効果と、整備された社会資本が機能することで生まれるストック効果がある。ストック効果でいえば、二〇一五年三月に全線開通した首都高中央環状線はその一例だ。渋滞による損失時間が半減しただけでなく、至近の地に新たな物流基地が整備され始めた。渋滞は各地で恒常化しているが、ビッグデータの活用で、社会に役立つ投資ができるようになった。

 老朽化対策も重要な課題だ。トンネルなどでは打音点検が行われてきたが、ITなどの進化で、音波などによって内部構造をチェックできる技術も出てきた。マンパワーが不足する地方でも、そうした技術を活用しながら対策を進めていくことになる。

 北陸新幹線は一五年三月に金沢まで開業し、大きな経済効果があった。開業から三年がたつ今も効果が続いており、社会資本整備は有効に使えば効果を出すことを証明した。

 バス事業も大事な交通機関だ。自動運転などの技術革新も踏まえ、いかに地域の足を確保していくかが今後の課題といえる。

 観光分野では訪日外国人旅行者数が昨年、二千八百六十九万人となったが、世界で十一位、アジア三位。旅行消費額も四兆四千億円を超えた。モノの消費からコトの消費にシフトしており、日本でしか体験できないことを提案していければ。外国人旅行者が金沢の何に関心を持っているか見ていただきたい。

    ◇

 三月例会は二十六日午前十一時から金沢市大手町のKKRホテル金沢で。コマツの野路国夫取締役会長が「コマツのモノづくり〜グローバル企業を支える現場力とコマツウェイ〜」と題し講演する。問い合わせは北陸中日懇話会=電076(233)4643=へ。

大雪の立ち往生 「先手打つ必要」

 講演後の質疑応答では、大雪の影響で福井、石川両県の国道8号で発生した大規模な車の立ち往生が話題に。武藤氏は早期の通行止め、除雪を集中的に実施する国交省の方針に理解を示しつつ「問題を分析し(対応は)先手を打つ必要がある」との見解を示した。

 短時間で集中的な大雪をもたらし、大型車などのトラブルも重なったが、出席者はホームページなどを活用し、立ち往生に関する早期の情報提供など新たな対策を求めた。

 国道8号での立ち往生は六日午前の発生から収束するまで六十時間以上かかった。十五日、石井啓一国交相は有識者委員会を立ち上げ、再発防止策を検討する考えを明らかにした。

 

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