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北陸中日懇話会

誰もが生きやすい国へ 「パラの成功が重要」

「今年の政治課題、政治情勢について」のテーマで講演する野田聖子総務相=15日午前、金沢市のホテル金沢で

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北陸中日懇話会で野田氏

 金沢市内で十五日開かれた北陸中日懇話会で、野田聖子総務相兼女性活躍担当相は、二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックについて「パラリンピックこそレガシー(遺産)だ」と述べた。障害の有無だけでなく、人口減少や超高齢化社会が迫る中、誰もが生きやすい優しい国づくりのためにパラリンピックの成功が重要だとの考えを示した。

 団塊の世代が後期高齢者になる「二〇二五年問題」にも言及。野田氏は「支える側が支えられる側に変わると、プラスマイナスゼロどころか、マイナスになる」と指摘し、「ユニバーサルな社会、弱い強いが分からなくなる国をつくることが社会インフラには非常に重要」と述べた。

 また、野田氏自身、息子が重度の障害があり、普段の生活の中で公共交通機関などで不自由さや不便さを強く感じているという。今後の超高齢化に伴い、同じように不自由さを感じる人が急増することが予想されるものの、国の対応が後手に回っていると指摘。

 東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗元総理も超高齢化社会を前に同様に懸念していると明かし、森氏からパラリンピックでの国会議員の中の責任者を任されたと述べた。

 国内にはまだ差別があり、一六年のリオデジャネイロ五輪・パラリンピックではじめて、五輪とパラリンピックのメダリストが国内で一緒にパレードをしたと説明。「パラリンピックの活動をする中で、しっかり乗り越えてパラリンピックこそがレガシーだということを皆さんに提供することができれば」と力を込めた。 (並木智子)

講演要旨 

 政治活動をスタートさせた二十六歳。政治的野心はなかった。祖父が岐阜県で国会議員をやっていたが、早々に落選して引退し、後援会の人たちから声を掛けられた。「だから女はだめなんだ」というのが当たり前だった当時、「君しかいない」という一言がうれしかった。だから政治は議員が動かすんじゃなくて、議員を動かす人たちが動かすものだというのが、徹底して胸の中にある。一人でも多くの多種多様な意見を受け止めて、法律や制度にしていくことが私の仕事。

 政治情勢がころころ変わる中で、強い者に巻かれない方がいいなというのが私の考え。強い人につくと自分が育たないし、鍛えられない。

 ここが地元の森喜朗元総理にもお世話になった。私の息子は重度の障害児。「だったらパラリンピックの仕事をやれ」と言われた。日本に住む人が激減し超高齢化していく。パラリンピックの成功は日本が抱えている超高齢社会で、どんな人も堂々と生涯を全うできる優しい国づくりをしていくために重要だ。

 三十二歳で初当選した後、中曽根康弘元総理からは「とにかくメモを残せ」と、竹下登元総理からは「ファクトで政策を考えろ」と教わった。自民党は多種多様な人材が集まっている。自由な風通しのいい自民党をもう一度取り戻したい。

 明治維新から百五十年。決別する時代を迎えた。日本が抱えている国難は人口減少で、今後の日本を推し進めてくれる若い人がいなくなることが大きな問題点。これからは強い人を強くするのではなく、何かを抱えている人の不自由を取り除くことが極めて重要。経営者もそれぞれに応じた仕事を分配できるのか、資質が問われる時代が来ている。

 前回の総裁選は、安全保障法制という大きな法案を抱えている大義名分があり、それに専念するから総裁選はしないとのことだった。血気あふれる人も派閥のいいなりになってしまう。でも自分が一番厳しくなったときに派閥は助けてくれない。いざというときは自分で判断し国民の審判を仰がなければならない。

 総務大臣として(情報通信技術の)ICTこそ地方の不便を便利に変える大道具なんだという意識改革を地方の皆さんに伝えている。テレワークで自宅にいながら仕事もできる。

 才能や個性を持っていても、今の枠組みからはじき飛ばされている日本を見ると、その人たちへの重い鉄のドアを開けられるような政治があってもいいのではないか。持続可能な国家を次の時代に渡すことができる権力があるならば、私は貪欲に取り組まなければならないかなと思っている。

     ◇

 二月例会は十五日午前十一時から金沢市本町のホテル日航金沢で。国土交通省前事務次官の武藤浩氏が「国土交通行政について」と題して講演する。問い合わせは北陸中日懇話会=電076(233)4643=へ。

 

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