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北陸中日懇話会

北陸の人手不足「構造問題」 宮田日銀金沢支店長

講演する宮田慶一・日銀金沢支店長=16日、金沢市内で

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講演要旨

 北陸中日懇話会(北陸中日新聞主催)の十一月例会が十六日、金沢市南町の金沢ニューグランドホテルであった。日本銀行金沢支店長の宮田慶一氏が、日銀の金融緩和政策や日本経済の現状を解説。景気が好調な北陸で強まる人手不足は「構造問題だ」と指摘し、非製造業の生産性改善や女性の登用促進を課題に挙げた。 (平野誠也)

 景気が回復しているにもかかわらず、実感が伴わないのは二つの背景がある。大企業や大都市だけが良く、中小企業や地方にも成長の果実が行き渡っていないのが一つ目。ただ、中小企業も地方も改善している。

 正社員の賃金が上がらないのが二つ目の背景。ただ、今は少し状況が変わりつつある。企業は人材確保が難しい上に、人材の流出を防ごうという段階。そのためにすることは働きやすい職場づくりと賃上げ。賃金が上がるとコストが上がる。緩やかな賃金の上昇を生産性の向上で吸収しているが、我慢しきれなくなったら賃金はさらに上がる。

 北陸の産業構造は世界需要で動く。鉱工業生産指数を見ると、いかに北陸の製造業が活況を呈しているか分かる。企業に聞くと、ここにきて設備投資を増やそうという声が着実に増えている。人手不足の中、生産能力増強と効率化を一緒にやろうとしている。北陸新幹線の開業効果は今も続いている。観光客だけでなく、建設やオフィスの需要も増えている。

 北陸の有効求人倍率が高いのは景気が良いからだが、構造問題でもある。製造業に従事している人の比率が高い地域ほど倍率は高い。製造業の強い北陸は人口以上の需要を全世界から受けているから、倍率は上がりやすい。

 北陸は女性も高齢者も就業率が全国で一番高く、絞った雑巾をこれ以上絞れないように、働き手が出てこないのも構造問題だ。

 人手不足が原因で企業は生産性向上に努めている。非製造業は生産性に改善の余地がある。夜中に客がいない二十四時間営業のファミリーレストランなど、どこに無駄があるかを企業は血眼になって探している。北陸は女性の労働参加率は高いが、管理職への登用が低く、対応する必要がある。個人的には、外国人労働者も活用する必要があると考えている。

     ◇

 十二月例会は十二日午前十一時から金沢市香林坊二の金沢東急ホテルで。労働新聞社代表取締役の加藤昌広氏が「働き方改革における労務管理上のポイントについて」と題して講演する。問い合わせは北陸中日懇話会=電076(233)4643=へ。

 

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