トップ > 北陸中日新聞から > 北陸中日懇話会 > 過去の講演要旨 > 記事

ここから本文

北陸中日懇話会

北朝鮮と平和的に解決を 北陸大・李鋼哲氏が講演

朝鮮半島情勢などについて講演する李鋼哲氏=14日、金沢市内で

写真

 北陸中日懇話会の九月例会が十四日、金沢市内のホテルであり、朝鮮半島情勢に詳しい北陸大経済経営学部の李鋼哲(りこうてつ)氏が講演した。北朝鮮の核実験やミサイル発射の背景などを解説し、対話によって平和的に問題解決を図るべきだとの考えを示した。(山内晴信)

講演要旨

 北東アジアは冷戦中「日本・米国・韓国」と「中国・ソ連・北朝鮮」による勢力バランスで安定を保った。北朝鮮は大国に支配されず、独自に生きる道を模索する「主体思想」を掲げる。冷戦崩壊でバランスが崩れ、主体思想によって自分で自分を守ろうとした。

 北朝鮮は「米国に存在を許されない限りは、他の国と交渉しても仕方がない」と考えている。「米国は敵対政策を改めていないので、危険だ」という認識があるのではないか。

 今後の朝鮮半島問題では三つのシナリオが考えられる。一つは今まで通りの制裁と核実験の悪循環。二つ目は北朝鮮政権の崩壊だが、現政権は安定しており、クーデターの可能性は低い。米軍による攻撃は対価が大きすぎる。三つ目は対話を再開し、平和的な手段で北朝鮮の危険性を低下させる。困難だが、最善だ。

 一九九四年に米国が北朝鮮への攻撃の筋書きを立てたが、日米韓の被害を考えて実行できないと判断した。今は核兵器もあり、常識的には戦争は起こせない。米国は利益のない戦争はやらない。

 日米中露・韓国・北朝鮮による安保体制をつくるのが、地域の利益になる。

     ◇

 次回は十月十一日午前十一時から金沢市武蔵町のANAホリデイ・イン金沢スカイで東京新聞(中日新聞東京本社)の金井辰樹政治部長が「『安倍1強』のあとの政治」と題して講演する。問い合わせは北陸中日懇話会=電076(233)4643=へ。

政治問題解決「米との決着を」

北の貿易会社社長

 李氏は八月中旬から今月上旬まで北朝鮮を訪れた。北部の羅先では貿易会社を経営する安成男社長と懇談し、例会でその様子を収めた映像を上映した。

 安社長は約二十年前に平壌から移住し、港湾開発に取り組んできた。流ちょうな日本語で「何かをやろうとしても政治的な問題で進まない。この繰り返し」と指摘。政治問題が解決しなければ、経済は立ちゆかないとの見方を示した。

 政治問題の解決には「米国との決着をつけるのが早道」と話し、休戦状態の朝鮮戦争を平和的に終わらせるよう求めた。

 平和条約締結に向けた道筋については「(北朝鮮に)力がないと、米国は話に乗ってこない」と軍拡の必要性を訴える。「米本土に向けてミサイルを打つという決死の覚悟が必要になる」と語り、金正恩(キム・ジョンウン)政権の考え方がエリート階級の国民にも浸透していることをうかがわせた。

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索