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北陸中日懇話会

AIは「意味」理解せず 新井紀子さん講演

「人工知能が大学入試を突破する時代、人は何をすべきか?」のテーマで講演する新井紀子さん=8日、金沢市内で

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 北陸中日懇話会が八日、金沢市内のホテルであり、人工知能(AI)に詳しい国立情報学研究所・社会共有知研究センターの新井紀子センター長が講演した。二〇一一年から六年間手掛けた「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトを紹介しつつ、現在のAIは大量のデータの「検索」や「分類」には強いが、人間のように「意味」を理解しているわけではないと解説した。要旨は次の通り。(日下部弘太)

講演要旨

 AIが囲碁の世界王者を破った。囲碁王者になるのは東大に入るより知的に難しい。だからAIは東大に入れる。こう思った人はAI投資には失敗する。AIは今のところ、自分の得意なことをやっている。

 分類は、AIがこの十五年で最も伸びた分野。数学の言葉のうち、かつては論理だけ使っていた。統計と確率も使い、写真を人間よりもうまく見分けられるようになった。ただ、統計は過去のことしか分からず、めったにないことは当てられない。

 東大プロジェクトで最初にできると思ったのが世界史。データを入れて、検索できるようにした。問題文の単語から検索して、正答の可能性が高そうな言葉を探す。日本語も英語も一切読めないが、答えられる。

 センター試験模試を二年続けて受け、偏差値は五十台後半。全体の二割に入った。昨年は有名私大の合格可能性80%を出した。

 人間の八割に勝ったのは、労働市場にとってすごい問題。中高生が教科書や新聞を正しく読めるかテストした。進学率100%の高校で三分の一が読めない。意味ではなく、キーワードで適当に読んでいる。中高生はAIのように勉強し、物を読み、考えてしまっている。人間は意味が分かるということを生かさないと、必ずAIに仕事を奪われる。

    ◇

 次回は六月十四日午前十一時から、金沢市昭和町のANAクラウンプラザホテル金沢で。作家で元東京都知事の猪瀬直樹氏が「この国のゆくえ」と題して。問い合わせは、北陸中日懇話会=電076(233)4643=へ。

 

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