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北陸中日懇話会

地元を愛し 何かのお役に 箔一会長・浅野さん

「金沢の経済をよくしたい」と語る浅野邦子・箔一会長=13日、金沢市の金沢都ホテルで

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講演要旨

 北陸中日懇話会十月例会が十三日、金沢市の金沢都ホテルで開かれ、同市の金箔(きんぱく)メーカー・箔一会長の浅野邦子さん(69)が講演した。経営の苦労や六月に経団連審議員会副議長に就任した際のエピソードを語った。(嶋村光希子)

 一九七五年の創業当時、金箔は工芸材料や素材としてしか扱われていなかった。金箔を建築装飾や食品などの最終製品にして伝統工芸としての「金沢の金箔」ブランドを築いてきた。

 生産体制では伝統ある職人の手業と全自動の機械とを組み合わせた。季節によって仕事量のばらつきがあり、浮き沈みがあるという伝統工芸を守るため、職人は全員社員として雇用し、生活を安定させた。

 大手との価格競争に対抗するためオリジナルの商品が必要だった。オブラートに包んで薬を飲んだ時にヒントを得た。金箔とオブラートを組み合わせて自由に型抜きができれば食品に使えるのでは、と。知識より知恵を大切にしてきた。

 九九年ごろに二十四億円あった売り上げが十二億円に半減。退職者を募り、資金繰りに苦労した。今はやっと三十億円まで持ち直したが、全て血となり肉となった経験だった。

 経団連審議員会の副議長就任の打診があった時、周りは一流企業のトップばかりの中で「なぜ私なのか」と二度もお断りした。三度目に引き受けた時、榊原定征会長から「あなたは地方で無から有を生み出し、これだけの歴史をつくり上げた。会員の経営者たちに創業の苦労を教えてほしい」と言われた。「私は私。語学もできず、学歴もないと卑下することはない」と、良い意味で自信がついた。チャンスを引き入れ、臆することなく能力を高めていこうと思った。

 金沢は北陸新幹線が開業し、観光客が増え活性化した。これから何をするかが重要。地方に良い人材や技術をもたらしたい。金沢を愛している。地方や中小企業ゆえに、逆手に取って何でも言える。人生最後、何かのお役に立てればありがたい。

 ◇ 

 十一月例会は、石川県珠洲市出身で元警視庁捜査一課長の光真(みつざね)章さんが「警察捜査の社会的役割」と題して講演する。九日午前十一時から金沢市のANAホリデイ・イン金沢スカイで。問い合わせは懇話会事務局=電076(233)4643=へ。

 

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