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popress【Work & Life】働き方や生き方を考える
 

働けど働けど…埋まらない世代間の溝 職場のホンネ!!総集編

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 上司にとっては叱咤(しった)激励、部下と親しくなるための言葉や行動でも、若手には時にパワハラ、セクハラに受け止められる。2010年11月の紙面開始から続くコーナー「職場のホンネ!!」では、面と向かっては言えない互いの不満や注文を部下編、上司編としてこれまでに20人ずつ紹介した。そこで明らかになった働く意識の違い。世代間のミゾを埋めるには…。

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「無責任」「セクハラ」断罪

 能力がなく、人格も尊敬できない。時代錯誤なやり方に、パワハラやセクハラ…。石川、富山の20、30代の部下が日ごろ上司に感じている不満は多岐にわたった。

 目立つのは「責任を取らない」「仕事を把握していない」という声。保険会社の営業職の女性は、自分の提案にいいとも悪いとも言わない「事なかれ主義」の上司に悩む。富山県の団体職員の女性は、締め切りが翌日に迫った仕事を突然振られた。「全体を見渡し前もって指示を」と話す。

 ひいき目や言葉遣いも部下はよく見ているようだ。「気に入ってる人には注意しないことでも、嫌いな人だとすぐに怒り出す」と販売業の女性。上司は客がいなくなると「おまえさー」「ありえねー」と下品な態度になるといい、品格のなさにもうんざりしている。

 パワハラ、セクハラ事例もあった。男ばかりの職場で働く「独身で下っ端」の男性は仕事後に上司宅に呼び出され、壊れた家電を運び出すのを手伝わされた。思わず「これも仕事なの?」。アパレルショップで働いていた女性は「これやったらセクハラになっちゃうよな」と予防線を張られ、髪や服をそっと触られた。職場では女性が次々辞めたという。

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「非常識」「指示待ち」あ然

 対する上司は、部下をどう見ているのだろう。20人のホンネからは、常識のない若手にあぜんとし、「基本をしっかりしろ!」と怒り、自己主張を望む姿が浮かび上がった。

 敬語が使えなかったり、漢字が読めないのは日常茶飯事。飲食店では、客に出すナッツをほおばっていたり、空き瓶の回収業者に平気で家庭ごみの瓶を持ち込んで渡したりといった話も。深夜までネットゲームをし、翌日仕事中に「スカー、スカー」と爆睡するツワモノは、注意しても「はあ」と空返事だったという。「どうやって一緒に働けば」「何を考えているのかわからない」との声も多かった。

 若手を「指示待ち人間」と評する意見も。団体職員の40代男性は「1言われたら1しかやらない。せめて3ぐらいは自分で考えてやって」と嘆く。(肩書きは掲載時)

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上司のいいところ探して

ジョブカフェ石川 ジョブサポーター

蓑輪紀子さん

 上司と部下の関係を円滑にするにはどうしたらよいか。「今の若い人はメールやネットは得意だけど、立場や世代が違う人との面と向かったやりとりは苦手。コミュニケーション能力が低いわけではなく、糸口さえ見つければうまく関係は築けます」。若者の就職相談を受け、セミナー講師も務めるジョブカフェ石川(金沢市)のジョブサポーター蓑輪(みのわ)紀子さん(45)は話す。

 常識のなさは、育ってきた時代背景の違いからも生まれるという。昔は家の電話に子どもが出て親につないだり、友達の家にかける時は相手の親にあいさつする機会があった。今は皆が携帯電話を持ち、「電話応対や目上の人への礼儀が自然と身に付く環境ではなくなった」と同情する。

 不況や人員削減で余裕のない職場。夢を抱いて入社しても、現実を前に「こんなはずではなかった」とやる気をなくす若者も。蓑輪さんは「仕事や上司の悪いところに目がいきがちだが、いいところを探して」と勧める。「一つでも良い見本を見つけると、そこから相手との関わりも生まれる。仕事の目標も持てると思います」

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部下を信頼 声掛けが大切

石川産業保健推進センター カウンセリング担当相談員

中川真由美さん

 トラブルメーカーになる上司には、共通点があるという。「主観が強い人。周りを見渡せない人は部下の評判も良くありません」。そう話すのは石川産業保健推進センター(金沢市)カウンセリング担当相談員で、産業カウンセラーの中川真由美さん(55)。長年、労働者のメンタルヘルスやパワハラ、セクハラなどの相談に携わってきた。

 視野が狭くなる理由には、上司自身がストレスを抱えていたり自信がない場合もある。仕事が多く、不安や焦りから他人に攻撃的になってしまうのだ。

 反対に、いい上司は話すペースや声のトーン、呼吸まで相手に合わせられる「ペーシング」ができる。「よく相手を見ている人は、職場での信頼関係も結べています」

 客観的に見られるように心に余裕を持つためには、オンとオフを切り替えることが重要。中川さんは「例えば散歩や旅行に出かける。気分転換すると、ストレス解消につながります」と助言。「部下を信頼し、できた時はほめるなどのフィードバックを。きちんと見てますよというメッセージを伝えることも大切」と話した。

 担当・奥野斐 ※次回は16日付Attention! ジビエを楽しむ若者を特集します。

 

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