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popress【Spot & Place】北陸を中心に面白いスポットを発掘
 

白山 ど素人でもなんとかなった 絶頂ハイク

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 夏本番を迎え、山登りには絶好の季節になった。ここ数年の爆発的なブームで、登山を楽しむ若者が急増している昨今。「若者のページ」を名乗るpopress編集部も乗り遅れるわけにはいかない。夏山の魅力に触れるべく、日本三名山の一つに数えられる白山・御前峰(2702メートル)に挑んだ。(担当・佐藤航)

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出発すぐに急な石段

 渓流にかかるつり橋の先で、登山道はうっそうとした林の中へと続いている。目にしみいる新緑、川のせせらぎ、ひんやりとした木陰。好天に恵まれた6月24日、白山登山は早朝のすがすがしい空気の中でスタートした。

 メンバーは編集部の記者やデザイナーなど4人に、読者のお二方を加えた総勢6人。筆者を含む3人は山登りのビギナーだ。登山が趣味の児玉太郎記者(35)=popressのレイアウトを担当=の案内で、石川県側では最もポピュラーな登山道「砂防新道」を登ることにした。

 さわやかな原生林の景色を楽しむ余裕があったのも、出発地点の「別当出合」(標高1250メートル)を出たばかりのころだけ。ほどなく、行く手に急な石段が立ちはだかった。日ごろの運動不足がたたり、早くも息は乱れがちに。こんな体たらくで頂上まで行けるのか。一抹の不安が頭をよぎる。

 きつい道中で励みになるのが、ちらほらと姿を見せる草花だ。注意しないと見落としそうだが、道の脇に白や紫の小さな花が咲いている。高山植物が花盛りを迎えるのは7月下旬からというが、この季節も愛らしい花を楽しむことができた。

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重い足で雪踏みしめ

 標高1550メートルの「中飯場」で最初の休憩を取り、「別当覗(のぞき)」(同1780メートル)を経て、さらに上を目指す。この辺りになると植物の高さも低くなり、残雪も目立ってくる。踏ん張りが利きづらくなっている重い足を運び、注意深く雪を踏み締める。

 甚之助避難小屋(同1975メートル)からしばらく登り、疲れがピークに達したころ、「黒ボコ岩」(同2320メートル)にたどり着く。斜面に巨岩が突き出た場所で、上に登ることもできる。見晴らしのいい岩の上で深呼吸をすると、少しだけ体が軽くなったような気がした。

 登り始めてからおよそ4時間。宿泊施設もある白山室堂(同2450メートル)に到着した。ここで少し休んだら、いよいよ最後のひと踏ん張り。このころには無駄話を楽しむ余裕もなく、黙々と石段を登っていく。一歩、また一歩。無心で歩を進めるうち、ついに山頂の社が見えてきた。

「下りの方がキツい」

 標高2702メートルの頂から望む眺めは、まさに疲れを忘れさせる絶景だ。新緑に包まれた山々がどこまでも連なり、青い空と見事なコントラストを描いている。所々に残る雪もアクセントとなり、この時季しか見られない眺望を織りなしていた。

 しかし、「われながらよく頑張った」などと感慨に浸れたのはつかの間。「下りの方がキツい」と聞いていた通り、ガクガクと震えるひざを押さえ付けながら、たっぷりと時間をかけてよろよろと山を下りたのだった。

マムートストア金沢 金沢市竪町86の1 076(262)1108

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山に「絶対大丈夫」ない

金沢の登山用品店 久住寛美さん

 初心者にも登りやすいといわれる砂防新道を選んだ場合、スタート地点の別当出合から室堂までの登りは、休憩時間を含めなくても四時間ほどかかる。下りも二時間半から三時間ほどかかるため、日帰りなら早朝に出発するのが無難だ。

 山の天気は変わりやすく、急に雨が降ってくることも多い。登山用品を扱うマムートストア金沢(金沢市竪町)の久住寛美さん(39)は「どんなに天気が良くても雨具の上下は絶対に必要」と話す。

 夏でも山は冷えるので、着脱しやすいナイロンジャケットがあると便利。アンダーウエアは、汗をかいても乾きやすい化学繊維製がいいとか。もう一つ欠かせないのが、頭に着けるヘッドランプ。久住さんは「もしかしたらけがをして、明るいうちに下山できないかもしれない。山に『絶対大丈夫』はないですから」と呼び掛けた。

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やるべきこと見えるのがいい

 若い世代の間でかつてないほど人気が高まっている登山。若者を引きつける魅力は何なのか。エッセイストやモデルとして活躍するかたわら、専門誌「山と渓谷」で登山のリポートを続けてきた華恵さん(21)に聞いた。

 たまたま知り合いのカメラマンさんに山好きの方がいて、誘ってもらったのがきっかけです。「山と渓谷」の連載は高校3年までの2年間、隔月で続けていました。富士山に磐梯山、白馬、奥穂高に八ケ岳−。槍ケ岳にも登りましたね。

 山の魅力は自分がやるべきこと、やってきたことがはっきり見えるところ。登山を始めたころは、エッセーの評価がよく分からなくなっていた時期だったんです。ほめてくれる人もいれば、そうではない人もいて。登山は「これだけ歩かなきゃ」というのが分かるし、振り返れば来た道も見えるのが良かった。

 これからは、山のヘアメークを勉強したいと思っています。「山ファッション」とかいわれているわりに、ヘアメークは出てこないですよね。私は髪が長いので、山小屋に泊まる時にも機能的な方法を考えてみたいです。

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フル装備で挑んで

ばくのつぶやき

 今や大ブームの登山。白山も華やかな山ファッションに身を包んだ若者が多かったが、十分な装備をしていない人も目についた。他人に迷惑をかけないためにも、登山は万全の用意で楽しみたい。

 

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