トップ > 北陸中日新聞から > popress > Spot & Place > 記事

ここから本文

popress【Spot & Place】北陸を中心に面白いスポットを発掘
 

めでる 学ぶ 北陸の名所 花見をせんとや生まれけむ

写真

 もうすぐ北陸でも桜の季節。今年は冬が長かっただけに、心待ちにしている人も多いのではないだろうか。そこで今回のSpot&Placeは、石川・富山両県の花見スポットを特集。さまざまな品種がそろう穴場や地域の公園、船上から眺める桜並木まで、春らんまんを楽しめる名所を紹介する。(担当・佐藤航)

咲き誇るソメイヨシノ(奥)とヤエベニシダレ=石川県林業試験場提供

写真

130品種900本咲き競う

花見といえばソメイヨシノが代表的だが、日本にはどれくらいの品種があるのか。石川県林業試験場(白山市三宮町)を訪ねると、森林環境部長の千木容(せんぎよう)さんが教えてくれた。「交雑が進んで増えています。今は500品種ほどになっているんじゃないでしょうか」

 同試験場は種の保存を目的に1960年代から収集を始め、今は約130品種、約900本の桜が敷地内に根付いているという。早春の寒桜系から、ソメイヨシノなどの彼岸系、八重桜、花びらが多く晩春に咲く菊桜の順に、多種多様の花をめでることができる。

 ここの売りは、数多くそろう石川県由来の菊桜だ。兼六園に原木があるケンロクエンキクザクラ(開花は4月下旬ごろ)は、多いもので400枚近い花びらを持つ。同じく4月下旬ごろから咲くケタノシロギクザクラは、羽咋市の気多大社に原木があるという。

 敷地内の桜の特徴や開花時期は、試験場のウェブサイト「いしかわ森林図鑑」内の「さくら品種図鑑」で紹介されている。

弥生さくら公園で開かれたイベントの様子。左奥が標本木だったソメイヨシノ=金沢市弥生公民館提供

写真

先代「標本木」探せ

気象台が桜の開花を宣言するために観察する「標本木」。金沢市の「弥生さくら公園」には、金沢地方気象台が20年ほど前まで標本木として使っていたソメイヨシノが今も残る。1991年に気象台が移転した後は、地元住民の目を楽しませる役割を担っている。

 「はっきりした樹齢は定かではない」(同気象台)というが、太い幹と張り出した枝ぶりは長い歴史を感じさせる。公園内にはこの標本木だけでなく、エドヒガンやキクザクラなど15種類の桜が植えられ、見ごろの時期には地域のイベントも開かれるという。

 公園のすぐ近くにある市弥生公民館の遠藤和宏主事は「家族連れで見に来る人も多いですね。会社の昼休みに弁当を持って花見を楽しんでいる人もいますよ」と話す。このかいわいは市営陸上競技場や小中学校など、桜が植わっている施設も多いらしく、「散歩がてら歩くのもいいかも」と薦めてくれた。

両岸の桜をめでながらゆっくり進む遊覧船=富山観光遊覧船提供

写真

花びら触れる川下り

「今年は趣の違う花見をしてみたい」という人には、船上からゆっくりと眺める桜はどうだろう。富山市中心部を流れる松川では毎春、期間限定で川岸の桜並木を楽しむ遊覧船が運航されている。

 富山城(同市本丸)のすぐ近くにある乗り場を出発し、往復2キロ余りのコースを約30分かけて巡る。川幅はさほど広くないので、間近で花を見ることができるのが売りだ。地元のタウン誌「月刊グッドラックとやま」編集部の中村青児さんは「川にせり出した桜のトンネルを船でくぐるような感覚」とPRする。

 もともとは「石川の兼六園に負けない観光スポット」を目指し、同誌が地元企業などと連携して始めた企画だという。富山観光遊覧船という会社を立ち上げ、冬場を除いて船の運航を続けている。

 桜の季節は随時運航にして便数を増やすという。問い合わせは富山観光遊覧船=電076(425)8440=へ。

(左から)一重のソメイヨシノ、半八重のミクルマガエシ、八重のカンザン、菊咲きのケンロクエンキクザクラ=石川県林業試験場提供

写真

なんと500…増え続ける園芸品種

 現在は500種ほどあるとみられる桜の品種だが、これはあくまで園芸上の分類。植物学的に分けると、日本にはヤマザクラやマメザクラ、エドヒガンなど10種類が野生で分布している。

 石川県林業試験場の千木森林環境部長によると、この10種が交雑や突然変異を繰り返して生まれたのが園芸品種。桜は他家受粉で子孫を残すため、「どんどん新しい園芸品種が増えていっている」という。

 ちなみに「八重桜」「菊桜」などは、花びらの枚数で分けた大まかな呼び方。5枚は「一重」、約5〜10枚を「半八重」、約10〜50枚を「八重」、八重の中でも特に枚数が多い花を「菊咲き」と呼び分けている。

写真

ばくのつぶやき

花に酔ってもマナー守って

 なぜだろう。桜の季節になると自然に心が弾んでくる。咲き誇る満開の桜を眺めているだけで、何となく浮ついた心持ちになるから不思議だ。

 そうなるとやっぱり、弁当やお酒を持って出掛けていきたくなるもの。自分だけのお気に入りの花見スポットを見つければ、楽しみも増すかもしれない。

 ただ、くれぐれもマナーは守りたい。ルールを守らないと、次の年からその場所がお花見禁止になってしまうかもしれないから。

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索