トップ > 北陸中日新聞から > popress > Love & Sex > 記事

ここから本文

popress【Love & Sex】性、恋愛の問題をまじめに考える
 

未来の相性 同棲で診断 20代既婚者の4割超が経験

写真

 2人で一緒に暮らすのはちゃんと結婚してから、みたいな考えはもう古い? 現代の若者にとって、同棲(どうせい)はごく普通のことになりつつある。20代の既婚者は4割以上が同棲を経て結婚したとの調査結果も。同棲ってそんなに良いもので、幸せな結婚にもつながるのか。経験者に聞いてみた。(担当・日下部弘太、押川恵理子)

「相手よく分かる」

 富山市の会社員、小林永(ひさし)さん(30)は1年の同棲を経て昨年結婚。「お互いの生活スタイルが分かって良かった」と話す。

 付き合い始めたころは2人とも実家暮らし。半年後、小林さんが親元を離れて一人暮らしを始めた。3歳年下の彼女がよく訪れるようになり、自然と一緒に暮らすことに。

 家事は「できる時にできる人がする」方式で全て分担。洗濯機を回すタイミング、食事中に落としたはしは洗うか気にしないか…。日常のささいなことでもズレが重なるとイライラすると友人から聞かされていたが、「全く違和感がなかった」と小林さん。付き合った当初から結婚を意識していたが、5カ月たち、「この人なら」と確信。デメリットは感じなかったという。

若い世代で急増中

 結婚前に同棲するカップルは、若い世代の多さが際立つ。結婚情報サイト「ぐるなびウエディング」と不動産情報サイト「アットホーム」が昨年末に実施したネット調査によれば、20代の既婚者の43%が同棲してから結婚。30代も28%と3割に近く、40代の18%、50代の15%を引き離した。

 20〜30代が多く使う結婚情報サイト「ゼクシィnet」の2010年のアンケートでは、婚前同棲率が7割にも上った。

 06年に第一生命経済研究所が30代以上を対象に実施した調査では、30代の21%が婚前に同棲。40代は11%、50代は12%。「ぐるなび」の結果と比べれば、ここ数年でさらに同棲カップルが増えているように見える。↓

価値観のズレ露呈

 ただ、必ずしも同棲が結婚への近道とも言えなさそう。金沢市出身で東京に住む会社員女性(31)は、10年から1年ほど同棲。「結婚がしたくて、どうにか一歩一歩前に進めたかった」と振り返る。彼とはけんかばかりだったが、それでも「一緒に住めば解決するかも」と考え、結婚に向けて同棲を始めた。

 年末には婚約。だが、個人主義的な彼との価値観のずれは埋まらない。翌年3月の東日本大震災が決定打だった。地震が起きて7時間、彼からは何の音沙汰もなし。ようやく電話がつながったと思えば、仕事相手と居酒屋で飲んでいた。

 「家族になる人に対して、この期に及んでそんな態度か」。根本的に合わないと気付き、別れた。「同棲したから分かったのか、月日が教えてくれたのか…」。その後、別の男性と結婚。同棲の必要はないと思っている。「他人同士が一緒に住むには、お互いの歩み寄りが大事。結婚を決めずに単に同棲しても、言いたい放題になるだけ」

生活すれ違い破局

 気持ちのすれ違いとは別に、生活上のズレからうまくいかなくなったカップルも。金沢市のデザイナー女性(28)は、11年秋から1年間同棲。「タイミングが悪かった」と悔やむ。彼から「結婚を視野に同棲を」と持ちかけられた。けんかしたことはなく、家事も分担した。

 だが1カ月後、女性の職場で上司が辞め、仕事量が激増。帰宅が早くて午後11時という生活になった。彼は次第に話してくれなくなり、ある日突然、「家を引き払うから出ていけ」と言われ、別れた。

 「同棲を経験して、家庭と仕事の両立の大変さが分かったのは良かった」と女性。ただ、次に同棲するなら、「先に籍を入れてください、と言います」。

仏は80%、韓国5%弱

国民性と制度背景

 海外を見ると、同棲事情は国によって差が大きい。内閣府の調査によるとフランスやスウェーデンは10〜20代の間に8割が同棲を経験。一方、韓国では同棲したことのある人は5%に満たず、日本よりも少ない。

 フランスには、同棲カップルも相続や税控除など結婚と同じような保護を受けられる「連帯市民協約(PACS)」という制度がある。離婚は双方が同意していても弁護士を立てねばならず日数と費用がかかるが、PACSなら一方の意思だけで別れられる。また、同性カップルにも適用される。

 フランスに留学後、2010年にフランス人男性と結婚してパリに住むフルート奏者、猪原美香さん(37)=大阪府出身=は「PACSだけのカップル、結婚に移ろうとするタイプ、最初から結婚するカップルもいて、さまざま」と話す。

 長く同棲し、子どもがいてもPACSすらしないケースも多いとか。「一緒にいて愛し合っていればわざわざ形式にこだわる必要があるのか、という考え方のようです」。社会保障も充実しており、「結婚やPACSをしていなくても、パートナーの会社の保険に加入でき、出産や子育ての助成金も出る」とか。いわゆる「国民性」と制度の双方に下支えされて、同棲はライフスタイルの一つになっている。

 ※次回は22日付Human Recipe。自作の紙芝居で平和の尊さを国内外に訴えている女性僧侶、佐治妙心さんが登場します。

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索