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popress【Love & Sex】性、恋愛の問題をまじめに考える
 

ぱっちり目 魅力的?

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 顔の印象に大きな影響を与える「目」。若い女性の間では、まぶたに専用の接着剤やテープをつけて二重にしたり、つけまつげをのせたりと、化粧で黒くパッチリと演出する人が少なくない。だが、少し行きすぎなのではと思うことも。一重にコンプレックスを持つ記者が「目力メーク」を体験しつつ、考えた。

アイテムを駆使

 机の上に置かれたさまざまな化粧品。目の際に線を引くアイライナーやまぶたに色をのせるアイシャドー、まつげを長く見せるつけまつげにマスカラ、二重にする道具の「アイプチ」「アイテープ」…。毎朝3分ほどでメークを済ます記者はどれだけ変わるのか。金沢市の専門学校「金沢美専」の講師小山友子さん(28)に化粧を施してもらった。

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40分かけて完成

 素顔=写真(左)=に下地を塗り、まぶたに灰色や黒のアイシャドーを重ねていく。目の上下の際には黒のラインをしっかりと入れ、ビューラーでまつげをカールさせてつけまつげを装着。マスカラをつけ、二重にする市販のテープをまぶたに貼れば印象的な目=同(右下)=が完成した。

 簡単に書いたが、ここまで約40分。「わあー、華やかになりますね」と小山さんにおだてられてまんざらでもない。確かに顔の雰囲気は変わる。気分も少しウキウキしてきた。

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華やかで自信も

 「素顔よりも堂々とできる。目は大きい方がかわいいと思うから」。そう語るのは、石川県野々市市の主婦(26)。高校のころから毎朝30分をかけて二重を作り、アイシャドーやつけまつげ、黒く縁取られたカラーコンタクトも使っていたという。大好きな歌手の浜崎あゆみさんのように大きな目になりたいと思ったのがきっかけ。「周りの友達も二重にしていたし、黒く強調した目が自分では自然になった」と話す。

やりすぎに注意

 時間と手間をかければ印象も変わり、自信も生まれる。でも、何度もパウダーなどを重ね付けして目に影響はないのだろうか。記者の“疑似二重”も、上に引き上げられているからか、目が乾燥してきた。

 さいとう眼科(金沢市)の斉藤代志明(よしあき)院長はやりすぎた化粧の危険性を指摘する。記者も体験した乾燥感。目の表面は涙と油の二層構造になっているが、眼球近くにアイラインやシャドーをつけることで油を出す腺をふさいでしまい「ドライアイ」になることがあるという。

 マスカラなどの繊維や粒子は目に入るとなかなか取れず、アレルギー性結膜炎になることも。カラーコンタクトは手入れが悪いと色素が漏れる可能性もあるといい、ひどいと角膜障害などを引き起こす。

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 また、最近は若い女性に見られる、まつげに人工毛をつける「まつげエクステンション」も注意が必要。毛が取れたまま眼球に当たり続け、結膜炎になっていた人もいたという。

 とはいっても、美のために譲れない人も多いだろう。斉藤院長は「眼球に近い部分まで化粧しないのが一番いいが、続ける場合は乾燥感や充血、異物感があったら早めに受診を」と呼び掛けている。

明治以降から人気

関西大総合情報学部 谷本教授(文化社会学)

 日本の昔の絵や写真を見ると、現代よりも一重まぶたが多かったような感じもする。二重への整形手術や、目を大きく見せる化粧が広がったのはいつからか。「美容整形と化粧の社会学」の著書もある関西大総合情報学部の谷本奈穂教授(文化社会学)に聞いた。

 「二重が魅力的」といわれるのは明治以降。それ以前の江戸時代には「目は大きすぎると見苦しい」という記述も残っている。欧米化で西洋的な美しさへのあこがれがかき立てられ、すでに大正期には二重にする手術が行われていた。美容整形に関してはここ最近、技術進歩や価格低下で手術が普及し、さらに抵抗感も薄らいでいる。

 身体的には、赤ちゃんや子どもを本能的にかわいいと思うように、顔に対する目の割合が高いほど、つまり目が大きいほど愛着が湧きやすい。だが、今の風潮はそれ以上に西洋化の流れと、雑誌やテレビでパッチリとした目の芸能人を多く見ることなどによる文化的な影響が強いだろう。

 担当・奥野斐 ※次回は17日付HumanRecipe。競輪の北野良栄選手が登場します。

 

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