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popress【Love & Sex】性、恋愛の問題をまじめに考える
 

乙女の恥じらい 今は昔? グッズ、指南書 弱まる抵抗感

ピンク先生と石原さんが共同開発したラブグッズ「オルガレシピ」シリーズ。初心者用に基本的な使い方を紹介した本とセットで1〜3巻まである。(1、3巻2000円、2巻2500円)

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 なにかと内向き志向の「草食男子」に対し、仕事にも恋にも積極的な女性が目立つ昨今。そんな「肉食女子」を意識してか、セックスの指南書や女性向けアダルトグッズも増えているようだ。どんな人が手に取るのか。男性陣の本音は。事情を探ってみると、開放的になったかと思いきや、そうでもないようで…。

漫画風イラスト

 「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」に「カリスマ女医の女子がもっとイケちゃうSexレッスン」…。金沢市の書店をのぞくと、数々の指南書が目に入ってきた。

 金沢ビーンズ明文堂書店金沢県庁前本店では、一般書籍と並んで棚一つ分の品ぞろえ。「表紙が漫画風のイラストの本も増えて、抵抗感も少ないのでは。普通に購入する若い女性も多いですよ」と同店担当者が話す。最近では雑誌のセックス特集も目立ち、出版される本の種類も増えているそうだ。

 その中の一冊、医師の宋美玄(ソンミヒョン)さん著「女医が教える〜」シリーズは2010年の発売以来、2巻で65万部を超えるベストセラーに。「最初はカバーがいやらしいと、書店さんも置いてくれなかった」と出版元のブックマン社(東京)の担当者小宮亜里(あり)さんが明かす。その後ネットで火が付いたといい、「著者が女医で、医学的見地から正しい知識を説明しているところが、今までになく実用的だと思われたのではないでしょうか」。

明るく おしゃれ

 書籍と同じく、アダルトグッズにもファッショナブルで、手に取りやすい女性向け商品が出てきている。

 ネットのセレクトショップ「LOVE JAPON(ラブジャポン)」には、輸入品を中心にスタイリッシュなデザインのローターやバイブなど約200種類がそろう。オーナーの石原佐友里(さゆり)さん(28)は「以前は男性目線の、ありえない動きをするものも多かったけど、今はおしゃれで女性の体を考えたいいものが増えている」と胸を張る。

 もっと気軽に使ってもらいたいと「ラブグッズ」と呼び、明るいイメージで商品展開する石原さん。デザインに引かれ、購入した元派遣社員のマサコさん(28)=仮名=は「性欲があるのは普通だし、ここのグッズは小ぶりなのがいいですね」と実感を込めた。

「複雑」ひく男性も

 書籍やグッズにとどまらず、女性を意識した動きは広がっている。いわゆるラブホテルは「リラックスし、コミュニケーションを取る場所」との“オシャレ感”を出すところも増えたという。お堅いイメージの放送局でさえ、セックスや器具などを使って膣(ちつ)と尾骨を結ぶ筋肉を鍛える「膣トレ」を特集している。

 そんな風潮を、男性はどうみるのか。

 「女性が予習みたいにセックスを勉強して、本番もうまかったらなんか複雑…」と吐露するのは、石川県白山市の会社員男性(29)。以前交際していた女性が“勉強熱心”で、部屋にはアダルトグッズが転がっていたことも。「前の彼氏の影響かなとか考え出すと止まらないので、思考をシャットダウンしてました」と振り返る。

 一方、金沢市の男性会社員(25)は「えらいなあと感心しちゃいますけどね」と肯定的。「それって、自分の体や、相手がどうしたら喜んでくれるかを考えている証拠。前向きだし、むしろ好感が持てますよ」と話した。

出版が相次ぐ指南書の数々

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情報増えて不安 女性主体求めて

変わりゆく 性のあり方

 女性がセックス指南書を読み、アダルトグッズを使っている−なんてけしからん! と憂うおじさま、おばさま方も多いはず。日本の若い女性は性に開放的になったのだろうか。

 「今は情報がありすぎて、逆に何がよいのか悩んでいる女性が少なくない。積極的になったのではなく、自分の体やセックスに自信が持てなくなっている表れでは」。十年前からセックス関連の雑誌記事を執筆し、「がんばらないセックス」(マガジンハウス)など多数の著書があるライター「ピンク先生」はそう実感する。アダルトグッズの企画にも関わり、「日本は性をタブー視する風潮が根強いが、性をポジティブに話せる環境が大事」と強調した。

 一方、ジェンダー学が専門の金沢大人間社会学域の杉田真衣准教授は「アダルトビデオや男性誌で学んだ男性本位のセックスは女性に苦痛を与えてきた。女性が性の主体となって快楽を得るセックスの指南書が求められているのは、性のあり方を変えようとしているからかもしれない」と話す。

 ただ、「他の女性と語れない分、本に頼ろうとしている」とも。「満足するセックスをしていない人はパートナーと良好な関係を築けない、というメッセージには不自由さも感じる」と指摘した。

担当・奥野斐

 ※次回は13日付Human Recipe。女子サッカーのなでしこリーグで活躍する中川千尋選手が登場します。

 

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