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popress【Love & Sex】性、恋愛の問題をまじめに考える
 

愛情たっぷり読書案内 活字で「恋活」の秋

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 読書の秋。人恋しくなる季節こそ、一人でゆったりと本を眺めたり物語の世界に浸るのもいいかもしれない。恋する気持ちも高まりそうな詩集やエッセーから絵本、漫画、純文学まで。日常的に本と関わるお三方に、いつもとはちょっと違う観点でお薦め「恋愛本」を紹介してもらった。(担当・奥野斐)

芸術家の眼

 まずは、愛をテーマにした作品や作家のエッセーに触れ、芸術への造詣を深めるのはどうだろう。金沢21世紀美術館(金沢市広坂)のアートライブラリーは、ガラス張りのオシャレな室内に所蔵作家や展覧会に関連した書籍、美術雑誌が並び、無料で閲覧できる。

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 司書の鍛冶裕子さんが紹介してくれたのは、現代美術作家岡本太郎さんの作品を題材にした絵本と谷川俊太郎さんの詩集、映像やパフォーマンスなどの幅広い表現活動を続ける美術作家高嶺格(ただす)さんのエッセーの3冊。「いずれも、愛について考えるきっかけをくれる本です」と薦める。

 絵本と詩集は、短時間で読める作品。エッセーは、高嶺さんが制作に取り組みながら、在日2世である恋人との関係や「日本人」という属性に向き合った日々が描かれている。作家としての姿勢も伝わってくる1冊だ。

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古さが新鮮

 アートやカルチャーを中心に、2万〜3万冊をそろえる金沢市竪町の古書店「オヨヨ書林」。店主山崎有邦さんの選書で目を引くのは、逆説的なタイトルとレトロな装丁が印象的な「恋愛なんかやめておけ」。1970年に出版された子ども向けの本ながら、「大人が今読んでも身につまされることが多い」という。

 また、今回唯一の漫画「天然コケッコー」は、山崎さんいわく「おもしろくて、誰でも『あるある』と思えるような、どこか懐かしい物語」。47歳のラッパーによるエッセーは、こういう恋愛もあると教えてくれる。「恋愛小説などは、昔の本がかえって新鮮ということも。お気に入りを発掘するのも面白いですね」と語る。

鏡花の純愛

 最後は、純文学に挑戦してみようという人に金沢三文豪の一人、泉鏡花の作品を。幻想文学の印象が強い鏡花だが、実はプラトニックな愛も多く描いているという。

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 「鏡花にとって恋愛は、肉体関係ではなく精神的なつながりによる、憧れの世界。小説には、見返りを求めず相手を思い続ける男女が登場します」と泉鏡花記念館(金沢市下新町)の学芸員穴倉玉日(たまき)さんが説明する。

 読みやすいのは、初期の作品「外科室」。鏡花の最高傑作との評価も高い「春昼(しゅんちゅう)」とともに、現実世界では結ばれない男女が、次の世で思いを成就させるという物語だ。

 上級者には、自伝的作品の「由縁(ゆかり)の女」も。鏡花に関わりのある女性が次々と登場するが、鏡花が最終的に選ぶ女性は幼いころに亡くした母親の面影を残す初恋の人だという。「現実ではありえないような、理想的な恋の世界を堪能できますよ」

 

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