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popress【Love & Sex】性、恋愛の問題をまじめに考える
 

命の始まり ここに用心 未来のパパママへ大人の性教育

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 精子と卵子が結び付き、新しい命が生まれる−。そんな基本的なことは、保健体育の授業でも習ったはず。でも、性の話題がタブー視されがちな日本では、より詳しい知識を身に付ける場はあまり多くない。「将来子どもが欲しい」と願う男女が気にかけておきたい生殖の話を、現場で診察や治療にあたる医師に聞いてきた。  (担当・奥野斐、佐藤航)

♂不妊の原因 男性にも

不安なら専門医に

 男尊女卑や家父長制度の下、「不妊は女性の責任」と考えられていたのは昔の話。医療が進歩した現代、不妊のほぼ半数は男性側に原因があるといわれている。「自分の精液に問題はないのか」「気を付けるべきことは?」といった疑問を抱く男性も増えているのではないだろうか。

 「近ごろの男性は昔より精子が少なくなっている、という話は聞いたことがありますね」。石川県野々市市の会社員男性(26)は言う。未婚で子どもをつくることを真剣に考えたことはないが、「『草食化』なんていうこともいわれているし、頭の隅で気にはなっている」と打ち明ける。

 男性の精子は本当に減っているのか。金沢大医薬保健学域医学系(泌尿器科)で男性不妊を専門とする高栄哲(こうえいてつ)臨床教授は「調査の結果、日本での一般男子の精子所見に問題はなかった」と説明する。環境ホルモンの影響で精子が減っているとの指摘を受け、2003年から金沢大など全国5大学で各地域の男性の精液を調べたところ、地域差や目立った変化はみられなかったという。

 精液の中に精子がない「無精子症」や、精子数が少ない「乏(ぼう)精子症」、精子の運動率が悪い「精子無力症」など、さまざまな要因がある男性不妊。だが、精子に異常が出る原因はまだ分からないことが多い。

 高教授は「酒の飲み過ぎや喫煙などは良くないと考えられているが、(それら以外は)日常生活の中で気を付けようにも限界がある」と説明。「それよりも、精液検査で問題が見つかった後の対応の方が大事だ」と訴える。

 無精子症であっても、泌尿器科の治療で妊娠可能な状況に持ち込めるケースもあるという。「2、3回の精液検査で続けて異常が見つかったり、気になることがあったりすれば、すぐ男性不妊の専門である泌尿器科にかかってほしい。治せる不妊があるんだから」

♀30歳までに初産 理想

子宮頸がん検診を

 「今は仕事がしたい。子どもは32歳までに産めればいいかな」

 結婚2年目の金沢市の会社員加奈子さん(26)=仮名=は、店頭での接客販売職に就いて丸3年。出産後の育児との両立を考え、30歳までは仕事に専念し経験を積みたいと考えている。「最近は30代での初産も普通。仕事も趣味の旅行も満喫したいし、今は子どもは産めない」。夫も加奈子さんの意見に納得してくれているという。

 そんな加奈子さんの計画に、うきた産婦人科医院(金沢市)の浮田俊彦院長(70)は、医師の立場から危機感を抱いている。「現代は35歳以上で初産の高齢出産が増えているが、一般的に卵子の状態がいいのは30歳まで。それ以降は妊娠、出産時の母体への負担が大きく、胎児に病気や障害が生じるリスクも高まる」と懸念する。

 つい10年前までは30歳を過ぎれば、高齢出産と考えられていたという。「卵子は胎児の時に一生分が作られ、初潮から毎月1個ずつ排卵される。年とともに機能が衰えるのは否めません」

 とはいえ現実の社会では、経済的な理由や共働きの増加などもあって、早く子どもをつくるのは難しくなっている。「30代の方がお金も心も余裕を持って、子育てに取り組めそう」と加奈子さん。将来の出産に備えて今すべきことはあるのだろうか。

 「まず、女性は子宮頸(けい)がんの予防ワクチンを接種して、毎年1回は婦人科検診を受けること。生理不順にも理由があるので、治しておいて」と浮田院長は強調する。

 特に子宮頸がんはここ数年、20〜30代の女性で発見される割合が急速に高まっているという。自覚症状がないまま進行し、場合によっては子宮の摘出や死亡に至る。「唯一ワクチンで予防できるがんで、セックスの経験がある人でも効果はある。接種と検診は、若い女性全員に受けてほしい」と呼び掛ける。

※次回は5日付HumanRecipe 映像作家のさわひらきさんが登場します。

 

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