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popress【Love & Sex】性、恋愛の問題をまじめに考える
 

集え 性的マイノリティー 北陸でも出会いの場を

レインボー金沢の第1回交流会で親睦を深める参加者たち=金沢市内で

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 ゲイやレズビアンらが、地元でも交流できる場を−。金沢市内で今月、性的少数者(セクシュアル・マイノリティー)が集まり、親交を深めようと交流会が開かれた。東京や大阪などの大都市と違い、マイノリティー同士が集う場所が少ない北陸。参加者からは「同じような仲間と出会いたい」という切実な声が聞かれた。 (担当・奥野斐)

情報はネット頼み

 「いつもはネットで仲間や情報を探すけど、身近なところで知り合えたらいいよね」

 18日に開かれた、交流団体「レインボー金沢」の第1回交流会。自己紹介が終わると、参加者が円になり徐々に会話が始まった。

 金沢市出身で、レズビアンと公表している東小雪さん(26)=東京都=の呼び掛けで、この日集まったのは石川、富山、福井県の14人。落ち着いた印象の人が多く、2、30代の会社員や学生、中には17歳の高校生も。レズビアンやバイセクシュアル、心と身体の性が一致しない性同一性障害の人らが交流を深めた。

セクシュアル・マイノリティーに関する書籍やイベントのパンフレット

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支えてくれる人を

 「仲間やパートナーと出会う場所は?」「ゲイバーやレズビアンバーに行く?」。出会いや情報を求める現実的な話題が次々と挙がる。「いつか周囲にカミングアウト(告白)したい。家族に受け入れてもらえるかわからない状況で、地元で支えてくれる仲間がほしい」と話す人もいた。

 「いまだに兄弟には直接(レズビアンと)伝えられていない」。東さんと共に会を企画した増原裕子さん(34)が話すと、会場がしんみりする場面も。増原さんは「母親とは10年ぐらいギクシャクした。最近は虹色(セクシュアル・マイノリティーの象徴)のマフラーを編んでくれるまでになったけど」と複雑な心境を吐露した。

 終始、和やかな雰囲気で情報交換した参加者たち。ゲイカップルが主人公の漫画や同性愛に関する本、映画も紹介しあった。終了後、女子高校生(17)は「自分以外のレズビアンに会うのは初めてだった。心強いし安心感が得られた」とはにかみ、会場を後にした。

 このようなセクシュアル・マイノリティーの交流の場は、地方では少ないのが現状だ。孤独や生きづらさを感じ、うつ病などを患う人もいる。

自殺未遂経験多く

 宝塚大看護学部の日高庸晴准教授=医療行動科学=が国内のゲイとバイセクシュアル男性を対象に実施した調査では、自殺を考えたことがある人は約65%に上り、うち約15%が自殺未遂経験者だった。割合は異性愛者の約6倍にもなるという。

 レズビアンも同様に自殺未遂率が高いことが、海外の研究で指摘されている。「マイノリティーの大半は、性的指向が知られてしまうと差別や偏見に遭うのではないかと恐れながら、社会的抑圧を感じる日々を送っている」と日高准教授。「多くの人が自覚する思春期に接する学校の先生が、まずは生徒の悩みの背景に性的指向もあり得ると意識して対応することが大切」と話す。

 「多様な性を認めない社会に対して息苦しさを感じている人のためになりたい」。東さんは、レインボー金沢として今後も交流会を定期的に開き、県や市の人権施策にセクシュアル・マイノリティーへの配慮を盛り込むよう訴える活動もしていくという。そのための一歩を踏み出した。

交流団体の設立について話す東小雪さん=金沢市内で

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レインボー金沢・東代表に聞く

仲間知り自分らしく

 レインボー金沢代表の東さんに、自身の経験や思いを聞いた。

−団体をつくったきっかけは。

 セクシュアル・マイノリティーの人が、仲間とつながる居場所をつくりたかった。私はレズビアンと自覚した高校二年の時、とても不安で「自分はおかしいんじゃないか」ってご飯がのどを通らないぐらい悩んだ。仲間ができて初めて、自分らしくいきいきとできた。

−自覚した当時は?

 自分が子どもだから男性に興味がないんだとずっと思い込んでいた。でも、高二の春、同級生の女の子に抱いていた気持ちが友情じゃなくて恋愛感情だと気づいて。「私は結婚して家族をつくって、子どもを産むっていう普通とされていることができないんだ」って思った。北陸は結婚への束縛が特に強いと思うけれど、同性愛者というだけで人生の他の選択肢が見えなくてつらかった。

−同性愛者として活動する原動力は。

 レズビアンであることで被る不利益はまだ多い。二十三歳で両親に伝えた時も、母はショックだったみたいで、ため息をついて「やっぱりね」と。知人には、「おまえを産まなきゃ良かった」と言われた人もいる。そんな状況を少しでも変えられたらと思います。

 

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