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popress【Interactive】若い読者モニターの声を受けたニュース解説
 

バク・トゥ・ザ・ティーチャー 家計編 家の姿 一つじゃない

金沢市、リカさん(仮名)/年齢:20歳/職業:大学生/趣味:旅行/一言:前回、カーシェアリングの存在を知り、ステーションが近くにあれば利用してみようかなと検討中。

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 北陸の若者の多くが“人生の必需品”と考えるマイカーとマイホーム。これらを持たない生き方が節約につながるのか探ろうと、前回(6日付)の紙面では、車を私有しない選択肢の一つ「カーシェアリング」を紹介した。後編は、家について考えるため、持ち家と賃貸住宅のメリットやリスクを解説する。

高い持ち家率

ばく先生:5回続けた家計編の最終回は、前回に引き続き、金沢市の大学生、リカさんのお金の悩みを聞きます。

リカ:今は賃貸のアパートに住んでいるけど、将来結婚したら自分の家がほしい。お金がどれくらい必要なのか、心配だわ。

 北陸は持ち家率が高い地域。2008年の総務省「住宅・土地統計調査」では、富山県は全国2位で約8割にも上る。

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リカ:自分の“城”を持つのがあこがれという人は多いと思うの。

ばく先生:では、北陸の住宅事情を説明していこう。まず、現状から。リカさんの住む石川県では、30代で土地代込み2500万〜3000万円の家を購入する人が多い。

 仮にリカさんが今、3000万円の家を頭金ゼロで買う場合、全額を借り入れ、35年のローンを組むとする(最終返済年齢が75歳ぐらいに設定されている場合が多いので注意)。金利1.5%なら月々9万2000円を35年間、払い続けることになる。

賃貸で節約も

リカ:35年か、気が遠くなるわ。でも、最終的に自分のものになるし、家賃を「捨てる」よりいいんじゃないかしら。

ばく先生:そういう考え方もできるね。図を見てほしい。家賃を払わなくて済むのは、持ち家の大きな利点。家自体が資産にもなるし、石川や富山では「家を持つことで信用を得る」との考え方も根強い。

 だが、マイホームにこだわらず、賃貸住宅に住み、節約する選択もアリかもね。

リカ:どういうこと?

ばく先生:今の2、30代を取り巻く状況は親世代より厳しい。非正規雇用者が増え、給料は減少。借金を背負うリスクは昔より高まっている。土地や建物の不動産価値も下がり、バブルの時のように建てた時の価格で売れる時代はもう来ないだろう。

 賃貸なら、例えば、家賃補助を受けて月々の住居出費を5万円に抑えられたら、50年間でも出費は約3000万円だ。現実は更新料や引っ越し費用もその都度かかるけれど、収入や家族の状況により住む家を変えられるのも魅力だし、風呂やエアコンの修繕も大家が負担してくれるから、節約につながる。

リカ:なるほど。

増える選択肢

ばく先生:それに、最近はシェアハウスや古い町家の活用など、全国で賃貸住宅の新たな可能性も広がっている。空き家対策やエコの面から、家も従来の「スクラップ&ビルド」の考え方を改めようという動きが出てきている。

リカ:北陸ではどうなの?

ばく先生:残念ながら、まだあまり浸透していない。でも、金沢市内で空き家になっている「金澤町家」を登録し、貸し借りするシステムは始まっている。町家の雰囲気を気に入り、飲食店として借りている人もいるそうだ。

リカ:北陸は土地が安く、家を持ちやすい地域だものね。でも、これからは家の“取捨選択”も大切になりそうね。 担当・奥野斐

コール&レスポンス

回答者:石川県宅地建物取引業協会 新栄得哲さん

家を買う時、気を付けるポイントは?

【リカ】 最近は、中古住宅を買ってリフォームする人も多いそうですね。

【回答】 日本は一般的に新築志向が高く、中古住宅の流通が欧米に比べると普及していないが、ようやく築年数が20〜30年の家を購入し、増改築する人も増えてきました。

 中古住宅を購入するメリットも大いにありますが、安いという理由だけで中古住宅を選ぶのはあまりお勧めできません。購入後の改築費用やシロアリ対策などの維持費はばかにならない。例えば、水回りの工事費に100万円、模様替えに200万円が必要になると、新築した方がいい場合もあります。

【リカ】 家を建てたい人が気を付けるポイントは?

【回答】 地域風土を考え、家の性能に注目したい。耐震はもちろん、日本海側は雨が多いので、湿気対策は重要。床下の風通しをよくしたり、調湿炭を敷いたりする場合もある。湿気があると、シロアリの発生にもつながります。

 冬場が特に寒い北陸は断熱も考えたいところ。今は断熱材を入れるのが主流で、工法には内断熱と外断熱の2通りある。外壁や床、天井に断熱材を敷き詰めることで家全体の断熱性能を高め、冷暖房効率を向上させる。省エネにもつながります。

 エコの面で、太陽光発電を考えている人も多いのでは。性能は日々進化しているものの、設備費が現状300万円ほどと高額な上、北陸は日照率も低いので、費用対効果をみて検討したいところです。

【出典】 総務省統計局「住宅・土地統計調査」

【取材協力】 石川県宅地建物取引業協会

※「バク・トゥ・ザ・ティーチャー」家計編は終わります。

 

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