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eスポーツ 富山にプロチーム発足 北陸から頂点へ FIGHT!!

eスポーツ大会の格闘ゲームで熱戦を繰り広げる2人の選手たち。奥は実況解説者

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 対戦型のコンピューターゲーム競技「eスポーツ」が注目を集めている。ジャカルタ・アジア大会では公開競技として行われ、日本チームが優勝を飾った。ゲームというと「遊び」や「娯楽」のイメージ。だが、それを極めようとする人たちには、ゲームにかける熱い思いと努力があった。今月、富山県で発足した北陸初のプロゲーマーチーム「TSURUGI TOYAMA(ツルギトヤマ)」のメンバーに迫った。 (堀井聡子)

 ゲーマーたちの歓声と拍手を浴び、2人の男性がステージに立った。眼前には250人の観客。9日、富山市で開催されたeスポーツ大会で、プロチーム「TSURUGI TOYAMA」のメンバーが初めて公の舞台に姿を現した。

ずらりと並んだ画面の前でサッカーゲームに熱中する参加者たち

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 「めっちゃ手が震えました。でも、やっとプロになった実感が湧きました」。プレーヤー名「BloodEdge(ブラッドエッジ)」として活動するメンバー、直江恭介さん(23)=同県砺波市=は、少しぎこちない笑みを見せた。プレーヤー名「G.X」の北潟祥吾さん(37)=金沢市=は「数カ月前まで、自分がプロになるとは思ってもいなかった」と語った。

企業5社がスポンサーに

 チームは、富山県eスポーツ協会会長の堺谷陽平さん(28)=同県射水市=が立ち上げた。堺谷さんによると北陸でプロチームは初。7月にチームの運営会社「ZORGE(ゾルゲ)」を設立し、企業5社がスポンサーに付いた。北潟さんは格闘ゲーム、直江さんはカードゲーム担当。今後メンバーを1人増やし、計3人で、プロもアマも参加する全国大会で戦う。

 日本eスポーツ連合(東京)が発行するプロライセンス取得も検討する。ライセンスがあるプレーヤーは、全国で120人と8チーム。だがTSURUGIのように「企業から報酬をもらうなどサポートを受けている人も一般的にプロと呼ばれ、これも含めると数え切れない」(同連合担当者)という。

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ボタン練習は筋トレ

 「競い合う点はリアルスポーツもeスポーツも同じ。格ゲー(格闘ゲーム)で言えばコンボ練習が筋トレ」と北潟さん。コンボは、ボタンを決まった順に押すと発動する連続技。「対戦で押し間違えないよう何度もコンピューター相手に練習する」

 幼いころ、書店の店先にあったゲーム機で遊ぶのが楽しみだった。小学生で家庭用ゲーム機が広まり、よく遊んだのが格闘ゲーム「ストリートファイター」。友人と戦ううち負けなしに。強い相手を求め中学時代はゲームセンターに通い、今では格闘ゲームの全国大会4位入賞の実力派だ。普段は会社員で、プロの活動は副業。「格ゲーをする人を増やしたい。だって、戦う相手がいないと楽しくないじゃないですか」と笑った。

元引きこもり 夢のプロへ

 一方、直江さんは、2年半前にカードゲーム「ハースストーン」を勧められてはまり、オンライン対戦のアジアランキング11位になったことも。「いろんなカードを試して強いデッキ(山札)を作るのが楽しい」と魅力を語る。プロに誘われたとき「こんなチャンスはこの先ない」と、副業禁止だった会社を辞めた。

 活躍する自分の姿を見てほしいという思いもある。中学時代、何があったわけでもないのに無気力になり、学校に行けなくなった。「好きなゲームもできないほど。自分でも理由がわからず、しんどかった」。2年ほど引きこもった後、このままでは駄目だと定時制高校に進学した。「引きこもりだった自分がプロゲーマーになれた。同じような事情を抱えた人たちの希望になりたい」と前を向く。

「ゲームはコミュニケーションツール 大会来れば、イメージ変わる」

プロゲーマーチーム「TSURUGITOYAMA」を立ち上げ、フラッグを披露する(左から)堺谷陽平さん、直江恭介さん、北潟祥吾さん=いずれも富山市の富山テレビ放送で

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 堺谷さんはここ2年ほど、国内のeスポーツを取り巻く環境が変わったと感じている。「ゲーム大会の数も増え、スポンサーも付くようになった。昔は大会すらなく、自分たちで企画するしかなかったのに。参加者も増えてきて、普及活動しやすくなった」と喜ぶ。

 eスポーツという言葉が広まった一方、特に中高年で「家にこもって1人でゲームしているんでしょ」「人を殺すゲームをしている」という後ろ向きな印象が強いようだ。

 「ゲームは、僕たちのコミュニケーションツールなんです。実際のeスポーツ大会では、初対面の人でもゲームを通じて仲良くなれる。とにかく一度、大会に来てみてほしい。きっとイメージが変わるから」。12月には富山県魚津市で、再び大会を開く予定だ。

ほりいの深ほり

 私が初めに買ったゲームは「ぷよぷよ」だった。ポケモンブームになり、小学校では「何をゲットした」と教室中その話で持ち切りだった。ゲーム依存など、議論しなければならない部分もある。だが、何かの逃げ道にゲームをしているのではなく、大好きなことを追い求める人たちの姿はまぶしかった。

 

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