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cool パルクール 草野記者 体験してみた

パルクールを体験する草野大貴記者

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 人気テレビ番組「SASUKE」(TBS系)の挑戦者さながら、走り、跳び、登る。障害物を次々と乗り越えて制覇していく運動「パルクール」をご存じだろうか。フランス発祥で、近年日本でも若者を中心に人気を呼びつつある。パルクールから発展した競技もあり、初めての全国大会が金沢市内で5月に開かれる。開催を前に、機敏さが自慢の記者が練習会に参加してみた。(草野大貴)

 勢いよく走り込み、平行棒のように並ぶ鉄パイプに跳び乗った瞬間もう一本に飛び移る男性、へそほどの高さの台を片手一本ついて飛び越える女性−。ここは都内のビルで開かれたパルクールの練習会場。サーカスの団員と見まがう熟練者たちが汗を流していた。

 記者も練習に加わった。体験したのは障害物を登り降りする訓練、障害物に飛び移り、そのままよじ登る訓練など。全部で45分のメニューだ。

 まずは120センチほどの高さの台の上についた片手を支えにジャンプして飛び乗る訓練。「登った時の足の位置は毎回同じに。鉄パイプのような細い物に飛び乗る場合に備え、思ったところに着地できるとようにしておかないと危ない」。講師役の日本パルクール協会の松田光希会長(25)がアドバイスしてくれた。

 そんな言葉を聞きながらも、記者は侮っていた。「すぐ目の前の狙った位置に足を置くことなどたわいもない」と。だが、実際は、どうしても数センチ、前後にずれてしまう。20回ほど挑戦したが結局、うまくできたのは3回だけだった。「自分の体はコントロールできないものだ」。そう痛感しつつ、台から降りる訓練へ。アクション映画で登場人物がオープンカーから飛び降りる感じでさほど難しくはなかった。

 次は自分の背丈ほどの台をよじ登る訓練。台に向かって飛び、台の上のへりに両手をかけてぶら下がる。腕の力で体を少し引き上げた瞬間、右ひじを台上に乗せてかき、一気に登る。

 最初の1回はできた。だが、その後は60キロという体の重さに腕が震えて力がでない。手をへりにかけることはできるが、腕を台の上に伸ばせない。気合を入れて挑むが、ずるずると下へと落ちていく。これで訓練は終わった。

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走る・跳ぶ・登る まるで忍者

 パルクールはフランス発祥の軍事教練がベースになっている。「走る、跳ぶ、登る」に重点を置き、障害物を乗り越えていくことで体を鍛える運動などを指す。運動技術や、その技術から発展した競技のことを言うこともあり、言葉の定義は幅広い。

 スタイルが確立されたのが、1990年代と歴史は浅い。日本パルクール協会の松田光希会長もパルクールを始めて10年、年齢も25歳と、若い種目であることを象徴する。日本での人口は若者を中心に約3000人とまだまだ少ない。

 動画サイトなどを通じて、危険なものと勘違いされることもあるが、基本的にはそれぞれの身体能力の程度に応じて活動する。松田さんは「もちろん失敗をすれば、けがをすることもあるが、限界を知って、基本動作を徹底していけば多くのけがは防げる」と話す。

 派手なパフォーマンスはあくまでも鍛錬の結果。「パルクールはその日ごとに心身を強くしていくもの。精神性は武道に似ています」と松田さんは語る。

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初の全国大会 金沢城で来月開催

 パルクールの猛者たちが競う初の全国大会が開かれるのは金沢城公園新丸広場。5月4、5日はパルクールの技を生で見られるめったにない機会だ。パルクールを見て、感じるゴールデンウイークはどうだろうか。

 大会は「忍者パルクール2018in KANAZAWA」。一つは障害物が設置された40メートルのコースを乗り越え、走り抜ける「スピードラン」。タイムを競う。もう一種目は、障害物を乗り越える際に、宙返りなどの技を繰り出し、華麗さを競う「フリースタイル」。バックに音楽が流れるのも特徴の一つだ。

 金沢の武士や忍者の文化を広める活動をする北陸大の武田幸男教授が協会に働きかけ、大会は実現した。来年からは世界から競技者を呼び込み「世界大会」として開催する予定だ。

 大会会場では、一般向けのパルクールを体験できる教室も開かれる。

とくの裏トーク

 壁を蹴って高く跳び、忍者のようにくるっと宙返り−。初心者には難しいにしても、草野記者にも躍動感ある写真を期待したが…。「地道な基礎練習を重ね、超人的な技がなせるんです。1回の練習だけではさすがに無理です」。金沢城公園での全国大会ではどんな技が見られるのだろうか。実際に見てみたいですね。

 今月からポプレスは月1回、原則第4日曜日に掲載します。20代の記者を中心に、若者らしい話題を発掘し、フレッシュな紙面をお届けします。学生や若手社会人の方からの持ち込み企画も歓迎します。 (督)

 

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