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Xマス ひとりでも楽しもう ひとクリ 増加中

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 今日はクリスマスイブ。皆さんはどのように過ごしますか。最近はクリスマスを1人で過ごす若者が多いようです。ポプレス編集部では、カラオケと同様にクリスマスを1人でも楽しもうと「クリぼっち」ではなく「ひとクリ」という表現をお勧めします。金沢に住む外国人の若者の考え方も紹介。世界の多様な過ごし方をのぞいてみませんか。 (督あかり)

「さみしくない」7割 20、30代男女意識調査

 「ひとクリ」派の若者が増えている日本で、クリスマスが知られるようになったのは明治以降。12月25日は大正天皇が崩御した日で、1927年から20年間は大正天皇祭として祝日だった。都市部では飲食店や百貨店などで華やかなクリスマスの飾り付けがされ、にぎやかな一夜が繰り広げられたとか。第2次世界大戦後、家庭でもクリスマスを祝うように。

 松任谷由実さんの「恋人がサンタクロース」(1980年)や山下達郎さんの「クリスマス・イブ」(83年)はJ−POPのクリスマスソングの定番。日本では「恋人と過ごす日」として定着してきたが、最近変化が見られる。

 レオパレス21(東京都)が今年20〜30代の社会人男女計600人を対象にした「ひとり暮らしとクリスマスに関する意識・実態調査」では、クリスマスをひとりで過ごしても「さみしいと思わない」と回答した人は7割。「クリスマスをひとりで過ごす人は昨年よりも増え、男女ともにネガティブな思いを抱いていない」と報告している。

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劣等感 全くありません

本紙・稲垣達成(たつなり)記者(23)

 クリスマスは仕事ですが、夜は予定が入っていないので普段通り過ごします。イブは夜勤なので、ケーキを買って会社で先輩と一緒に食べようかな。

 クリスマスにラブラブなカップルを見てすてきだとは思うけど、劣等感は全くありません。誕生日以外は特別だと思っていません。クリスマスに1人でいても平気なタイプです。

 子どものころは、クリスマスには家族全員がショートケーキやババロアなど好きな洋菓子を2個ずつ食べられて幸せでした。小学6年生のころまでサンタさんを信じていました。大学時代は週6日アルバイトをしていたので、勤務後にバイト仲間とケーキを食べたり、鍋パーティーをした思い出があります。

過ごし方 海外では 金沢在住の外国人に聞く

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カルム・ガルトさん(25) 米国

家族一緒が当たり前

 クリスマスは家族で過ごす日だから、日本みたいにロマンチックではないよ。休日が当たり前だから、休みをもらって外国人の友達と集まってパーティーをする。アメリカでは25日は昼に親戚の家で七面鳥の丸焼きとかごちそうを食べる。夜は家で「クリスマス・キャロル」を題材にした人形劇映画を見るのが定番。チェリーやクルミなどが入ったパンみたいな「フルーツケーキ」を食べるよ。

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アンナさん(26) ロシア

1カ月前から「断食」

 ロシアでは、ギリシャから伝わった正教を信じる人が多い。ユリウス暦なのでクリスマスは1月7日なの。とても大事で神聖な日。1カ月前から肉や魚を食べない「断食」をする。イブには親戚が集まり、カモの丸焼きなどごちそうを食べる。25日は朝、教会へ行き、ロシア語のキャロル「コリャダ」を歌うの。日本のクリスマスは、宗教とは関係ない「デートの日」や「ケーキの日」ね。

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ルーカス・サンタナさん(28) ブラジル

ゲームで贈り物渡す

 ブラジルはクリスチャンが多い。ホワイトクリスマスはあり得ないね。日本は「恋人の日」でちょっと残念。きれいなイルミネーションでも、1人では見づらいと言う。みんな楽しんだら良いのに。クリスマスは砂糖漬けの果物入りの「バネットニー」というケーキを食べる。1カ月前に友達の名前が書かれたくじを引き、内緒にしてプレゼントを渡す「透明な友達」というゲームもあるよ。

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ヌニン・アヌグラーさん(23) インドネシア

映画の放送を楽しむ

 私はインドネシアで一番多いイスラム教徒。次にキリスト教徒が多く、それぞれ宗教の特別な日はお休み。クリスマスは日本ほどではないけどにぎやか。家では毎年放送される映画「ホーム・アローン」などを見るよ。今年はインドネシアのキリスト教の友達にプレゼントを贈るの。ムスリムは断食明けの「イード」という日が大事。朝からモスクの礼拝へ行き、親戚の家にあいさつ回りをするよ。

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沈浩さん(21) 中国

リンゴ包み贈り合う

 中国でクリスマスイブを「平安の夜」という。来年も平安に過ごせるように祈り、きれいに包んだリンゴを贈り合うんだ。日本のようにカップルで過ごす人も多く、バレンタインデーみたい。中国は広いので地域によって過ごし方が違うかも。出身地のハルビンはとても寒い。気温は氷点下20〜30度。雪で教会風の建物などを作りイルミネーションで飾る「アイスライト」がとってもきれいだよ。

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エド・ウィリアムスさん(30) 豪州

親戚集いパーティー

 キリスト教がメインだけど、日本みたいにそこまで宗教色が強くない。でも欧米と同じように家族と過ごす日。今年は帰れないからゆっくり家で休みたいな。クリスマスの朝は友達が特別営業するコーヒーショップで、「メリークリスマス」って言い合うよ。約束してなくても、みんな集まってくる。昼からは親戚が40人ほど集まってパーティーをする。BBQしてビールを飲むよ。暑いからね。

読書に浸る聖夜いかが

オヨヨ書林せせらぎ通り店セレクト

 多彩なジャンルで知られる金沢市長町の古書店「オヨヨ書林せせらぎ通り店」の佐々木奈津店主(48)に「ひとクリ」にお勧めな5冊を選んでもらった。

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 (1)米国のターシャは、編みかごやせっけんなど何でも手作りするおばあちゃん。クリスマスも大好き。この本には自分で作る豊かさが詰まっています。ひとりでも自分で楽しみを見つけられるのでは?

 (2)英国の文豪ディケンズの小説「クリスマス・キャロル」が題材の仕掛け絵本。ひっぱると登場人物が動いて楽しい。英語も読みやすい。

 (3)無邪気なおばあさんと少年がクリスマスに向けて「フルーツケーキ貯金」を1年間楽しくするお話。翻訳した村上春樹が「イノセント」と評するように悪意が無く、描写が美しい。心が洗われるはず。

 (4)有名な「賢者の贈りもの」を収録。貧しいカップルがお互い一番大切にしていた物を差し出して、相手にプレゼントし合う。小説ひとつひとつに味わいがある。

 (5)太宰治の最期の小説のほか、戦後すぐに書かれた短編小説「メリイクリスマス」を収録。時代の空気がうかがえる。太宰小説は若い人におすすめ。人は誰でも悩み、感受性が豊か。小説を読む喜びを感じられる。

(1)「ターシャ・テューダー手作りの世界 暖炉の火のそばで」 (メディアファクトリー)

(2)「A CHRISTMAS CAROL POP−UP BOOK」 (Rand McNally)

(3)「クリスマスの思い出」 (文芸春秋)

(4)「オー・ヘンリー傑作選」 (岩波文庫)

(5)「グッド・バイ」 (新潮文庫)

 

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