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新聞アート どでかい夢

関口光太郎さん(33)特別支援学校教諭

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 見上げるほどの巨大な人魚姫。すべて新聞紙とガムテープで作られているなんて信じられますか! 新聞紙でこんなにおもしろいことをやっている人を新聞社が紹介しないわけにはいかないでしょう。今回は、東京都練馬区の特別支援学校「旭出学園」で働きながら作品を制作している関口光太郎さん(33)にお話を聞きました。(編集長・蓮野亜耶)

簡単に、身近に

 「作品が大きいというだけでエンターテインメントになりますよね。5歳の子どもも楽しめる作品にしたいんです」

 小学3年の夏休みに初めて、新聞紙とガムテープで作品を作りました。両親に相談しながら作り上げたのは大好きだった恐竜のステゴザウルス。結構うまくできたと思います。

 物を作ることはずっと好きだったので、東京の多摩美術大に進学し彫刻を学びました。1、2年生のころは、いろんな材料で作品づくりを試みました。石、木、鉄…。どれも費用も時間、設備も必要でした。もっと手軽にアートを楽しみたいと考えたとき、ふと小さいころに新聞紙とガムテープで作ったことを思い出したんです。

 当時、不気味なものを見上げるほど大きく作りたかったんです。高価な素材では挑戦できないけれど、どこでも手に入る新聞紙とガムテープなら簡単にできる。卒業制作では、カンボジアの世界遺産・アンコールワットのような「瞬間寺院」を手掛けました。

 大学では作品を教授に認めてもらう機会も多かったけれど、世の中には自分がつくる立体作品は必要とされていないと感じていました。作家として生きるよりも、教師の道を目指しました。自分の考えや表現が他者に影響を与えるという部分は、芸術家も教師も同じかなと考えたからです。

 特別支援学校で働くことを決めたのは、障害児たちの生きる世界が奥が深かったから。それまでは学校で1番になりたいとか、有名になりたいとか競争社会で生きてきました。でも、1番にならなくても人生が豊かな感じがしたのです。

 いまは、中学部の担任をしています。美術が専門ですが、体育も音楽も全部教えます。美術の時間でも新聞を使った授業をしますよ。新聞をちぎって床一面に敷いて海のようにしたり、クリスマスツリーを作ったり。子どもたちも楽しそうに作っていますよ。

 これからやりたいことの一つに、東京パラリンピックで知的障害者と一緒にどでかい作品をつくること。パラリンピックは実施競技の多い身体障害者に目が行きがちで、競技の少ない知的障害者は置いてきぼりな感じがするから。作品づくりを通してみんなが五輪に参加したと実感できるようにしたいんです。

 アートは特別じゃない。新聞紙とガムテープという肩肘張らない身近なものだから、失敗しても何度でも作り直すことができます。みんなで、大きなオブジェを作って世界中の人を迎えたいですね。

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大人魚姫 広島に

 関口さんの作品「大人魚姫」が11日まで広島市の市現代美術館で展示されています。全長約6メートル、高さ3メートルの人魚姫の頭には冠。体にはヒトデやイソギンチャクなど海の生き物がたくさんあしらわれています。王冠が会場の天井に届きそうな人魚姫は迫力満点。あまりの大きさに来場者はみんな、「これ、マジで新聞でできてるの?」

 関口さんによると、人魚は15歳の女の子。物語の最後には、泡になって消えてしまう人魚姫がかわいそうだと、元気で強く、たくましい人魚姫をイメージしたそうです。

 そのほかに、イカやタコ、クラゲにカラフルな魚がたくさんくっついた「人魚のお城」も展示。お城の中に入ることもできるんです。これも、新聞とガムテープだけでできているなんて本当にすごい!

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祝!バクが立体に

 「ポプレスのキャラクター・バクを新聞紙とガムテープで作ってください」。蓮野編集長からのいきなりのお願いでしたが、快く引き受けてくれました。

 新聞をちぎっては丸め、ちぎっては丸め。バクのイラストを見ながら丸めた新聞紙に黒色のガムテープをきつく巻いていきます。

 ナスのようにぷっくり膨れた胴体ができ、鼻が伸びた頭が生まれ、二つの丸めた新聞をガムテープでくっつけました。さらに、耳や手足をつけると、どこからどう見てもバク。

 完成までおよそ10分。すごくかわいいです。しかも、背中に針金をくっつけて二本足で立てる仕様にしてくれました。ありがとうございます。大切にします!

 

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